PDFのアクセス権を「後だしジャンケン」で変更、アドビ新製品

2005/3/24

 アドビシステムズはPDF文書のアクセス権限をコントロールするサーバ製品「Adobe LiveCycle Policy Server」を発売したと3月23日に発表した。PDF文書の閲覧や編集、印刷などのユーザーごとの可否を文書配布後でも動的に変更できるのが特徴。アドビシステムズのマーケティング本部 エンタープライズ・マーケティング部 部長 小島英揮氏は「個人情報に加えて、知財や契約文書、デザインなどの情報資産を保護したいという企業にニーズがある」と説明した。

アドビシステムズのマーケティング本部 エンタープライズ・マーケティング部 部長 小島英揮氏

 Policy Serverを使えば、例えば4月15日まで閲覧可能とポリシーを設定したPDF文書を、配布後に4月1日までに閲覧期間を変更することなどが可能。いわば「後出しじゃんけん」(小島氏)ができるようになっている。

 Policy Serverがコントロールできるのは、PDF文書を開くことができるユーザー、閲覧期間、編集、印刷、コメントの追加、オフライン利用など。PDF文書に関する「誰が、いつ、どのように」を管理する。PDF文書をパートナーや取引先など社外に渡してしまった後も、そのポリシーを変更できる。

 PDF文書のポリシーをコントロールできるのは、Adobe ReaderでPDF文書を開く際にインターネットに接続し、Policy Serverで認証させる仕組みになっているから。アクセス権限がないユーザーがPDF文書を入手しても、登録ユーザーを管理するLDAPサーバにユーザーの登録がなければ文書を開くことができない。閲覧期間の変更など新しいポリシーはPolicy Serverにアクセスした際にPDF文書に追加される。ポリシーによってはPolicy Serverにアクセスさせずに文書を開くことができるオフライン利用を設定することができるが、次にネットワーク接続した際に、新しいポリシーが適用されることになる。Policy Serverではユーザーのアクセスログや操作履歴を取ることもできる。

 Policy Serverでポリシーを適用できるのは「Adobe Acrobat 7.0 Standard/Professional」で作成したPDF文書。PDF文書を編集しなおす必要はなく、既存の文書にポリシーを適用できる。ポリシーを適用したPDF文書を開くには「Adobe Reader 7.0」が必要。7.0以前のReaderで開くと7.0にアップデートするよう求めるメッセージが表示され、アップデートするまで文書は閲覧できない。

 Policy Serverは「IBM WebSphere 5.1」「BEA WebLogic 8.1」「JBoss 3.2.5」で稼働する。対応するLDAPサーバは「Microsoft Active Directory 2000/2003」「Sun Java System Directory Server 5.1/5.2」。ライセンスモデルは、何人のユーザーに対してPDF文書の閲覧をコントロールしたいかで課金する「Per Userライセンス」と、ポリシーを適用するPDF文書数で課金する「Per Documentライセンス」の2つを用意する。

 小島氏によるとPolicy Serverに対して製造業の関心が高く、すでに引き合いもきているという。製造業は製品開発で社外の協力が必要なケースが多く、配布した情報をコントロールできなくなることへの懸念が強い。配布したPDF文書を閲覧禁止にできるPolicy Serverの機能を利用して、配布図面や技術文書のバージョン管理に利用する企業もあるという。

(@IT 垣内郁栄)

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アドビシステムズの発表資料

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