もはやメールは重要な証拠だ、ベリタスのアーカイブ製品

2005/3/25

 「いまやメールは証拠だ。個人情報保護法施工後には、明確なルールの下で保存する必要がある」。これはベリタスソフトウェア エンタープライズ営業本部 シニアアカウントマネージャー 石田 喜明氏が、報道関係者向けのデータアーカイブに関する説明会で語ったものだ。

ベリタスソフトウェア エンタープライズ営業本部 シニアアカウントマネージャー 石田 喜明氏
 経済産業省は情報技術(IT)に関する事故への対策を促すために「企業の格付け制度」の検討に入っており、2006年中にも導入する予定だ。格付けの結果を、公的機関による調達の基準にすることも検討されており、企業のシステムに不備があると入札できない可能性も出てきた。このような政府の方針を受けて、「公共事業を手掛ける建築業や医薬品メーカーなど、入札する必要がある企業では格付けによって入札できなくなることを相当懸念しており、対策に乗り出している」(石田氏)と説明。その際の対策として、データアーカイブやストレージリソース管理、データの保護などが必要になってくるが、「それらを一元的かつヘテロジニアスな環境で利用できるのはベリタスだけだ」(石田氏)と述べ、同社のオープンなソリューション戦略が“強み”になってくると説明した。

 石田氏は「バックアップデータとアーカイブデータの違いを分かっていない人が多い」と指摘。バックアップデータが、「障害時、現状に戻せるように退避させたデータ」「常時最新に保つ必要がある」「上書きが可能」といった性質があるのに対して、アーカイブデータは「使用頻度は低いが長期保存が必要なデータ」「上書き消去が不可能」「変化しないデータ」といった特徴をもつと同社は定義している。この特徴を踏まえ、石田氏は「メールデータの容量は年率70%で増加している」という調査結果を示し、「運用管理やバックアップ作業の軽減を図るためにもメールデータをアーカイブするメリットがある」と語った。

ベリタスソフトウェア マーケティング本部プロダクトマーケティング部 雨宮 吉秀氏
 ベリタスではデータアーカイブソリューションとして「VERITAS Enterprise Vault」を提供している。Enterprise Vaultは、ベリタスが2004年9月に買収したKVault Softwareのソフトウェアがベースとなっている。Enterprise Vault for Exchangeは、ExchangeサーバのInboxに保存されている古いメッセージを保存用サーバに圧縮/移動し、保存領域を軽減する。また、特定の個人を指定して、個人フォルダ(.PSTファイル)を保存用サーバに移動することも可能。従来、個人PCのデスクトップやファイルサーバ上にあった.PSTファイルを統合管理できる。

 ベリタスソフトウェア マーケティング本部プロダクトマーケティング部 雨宮 吉秀氏は「情報検索機能がないのであれば、アーカイブは意味を持たない」と指摘。Enterprise VaultはAltaVista検索エンジンを搭載し、添付ファイルを含めた検索ができる。さらに、従来点在していたメールデータを統合することでストレージの最適化も図れるという。雨宮氏は、「企業のメールサービスでは、バックアップ、アーカイブ、ストレージが重要だ。これらを満たすのにEnterprise Vaultは有用だ」と自信を見せた。また、今後は現在のExchangeサーバー向けモデルだけでなく、Lotus Notesなどにも対応していく予定だとしている。

(@IT 大津心)

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