森永乳業のIP電話導入「初期コストを抑えた賢い選択」とは?

2005/3/26

 AT&Tグローバル・サービスは3月17日、森永乳業の営業所、支店、工場など40拠点にIP電話を導入したと発表した。導入を担当したAT&T ネットワーク・ソリューション事業部 取締役 事業部長 田伏一人氏は「今回のIP電話導入がユニークなのは、既存のPBXと電話機をそのまま利用している点だ」と説明した。

AT&T ネットワーク・ソリューション事業部 取締役 事業部長 田伏一人氏

 森永乳業のIP電話導入では、既存のPBXに接続しながらIP電話システムを導入して音声通信を行う方法をとった。具体的には沖電気工業のVoIPゲートウェイ「BV1270SIP」を各拠点の社内ネットワークにある既存のPBXに追加し、音声信号をIP化する。また、各拠点のVoIPゲートウェイを制御するために、IPテレフォニーサーバ「IP CONVERGENCE Server SS9100」をAT&Tのデータセンターに設置した。

 通信インフラは、日本テレコムの大規模拠点向けの広域イーサネットと中小規模向けのIP-VPNを利用。バックアップ回線として光ファイバとADSLを併用し、冗長化したという。

 IP電話の導入では通信費を削減するため、PBXをIP-PBXにして社内の通信をすべてIP化するケースが多いが、AT&Tは既存のPBXを残して初期導入コストを抑える方法を選択した。

 田伏氏はその理由を次のように語った。「社内のネットワークをすべてIPで統合しようとすると、ネットワークがダウンした場合に備えて、いろいろな設備に投資しなくてはならない。今回の導入では、既存のPBXを残してあるため、万が一、ネットワークがダウンしても既存の電話回線を利用できる。この安心感は大きい。肩の力を抜いた形でのIP電話導入である」

 田伏氏によると、導入済み拠点では問題なく稼働。森永乳業は2005年6月までに全国の73拠点を結ぶ予定で、関連会社を含めて240を超える国内の全拠点の統合を検討している。田伏氏は「すでに導入が完了している40拠点では従来使用していた音声VPNの費用である月230万円分の削減効果が出ている。今回の導入は、初期導入コストと運用リスクを抑えた、ユーザーの賢い選択といえる」と述べた。

(@IT 富嶋典子)

[関連リンク]
AT&Tグローバル・サービスの発表資料
沖電気工業の発表資料

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