“アキバ”は絶大な吸引力になる、石原都知事

2005/4/1

 ダイビルとNTT都市開発、鹿島建設の3社が建設している「秋葉原クロスフィールド」の中核施設「秋葉原ダイビル」が3月31日にオープンした。オープニングセレモニーに出席した石原慎太郎東京都知事は、「最近躍進している中国より上流になるためには高度なIT技術が必要。つまり、秋葉原が日本の交流のカギになり、絶大な吸引力となるだろう」とコメントした。

「秋葉原が日本のIT技術の中心になる」と語る東京都知事 石原慎太郎氏
 現在秋葉原地区は、東京都の「東京構想2000」「秋葉原地区まちづくりガイドライン」に基づいて再開発が行われている。中でも秋葉原ダイビルは、都が推進している秋葉原駅前の旧青果市場跡地の再開発事業「秋葉原クロスフィールド」の中核施設として、産学連携や情報ネットワークの拠点として位置付けられている。2006年3月に竣工予定の「秋葉原UDX」とあわせて、「秋葉原のIT拠点の中心として、ITを活用した次世代の新しいビジネスを創造する」とされている。

 ビルは地上31階、地下2階、高さ147.5mとなっており、1〜2階にはカフェ、2階にはコンベンションホール、5階がカンファレンスフロア、5〜15階が産学連携フロア、16〜30階がオフィスフロアとなっている。5〜15階の産学連携フロアには、東京大学や筑波大学などの大学や独立行政法人産業技術総合研究所などの研究機関、日本テクノロジーベンチャーパートナーズなどのベンチャーキャピタルなどが入居している。16〜30階は一般のオフィスフロア。4月1日には東京大学や筑波大学、産総研が活動を開始し、オフィスフロアは5〜7月に入居が始まる予定だという。

オープニングセレモニーの様子。左から、ダイビル 代表取締役 広瀬忠邦氏、東京都知事 石原慎太郎氏、NTT都市開発 代表取締役 三田清氏
 産学連携を推進するために、研究成果や情報交流する場として5階にカンファレンスフロアを用意。秋葉原ダイビルの入居者の交流を推進するという。また、プレゼンテーションセンターでは研究成果の発表や情報交換を通じた学術交流や人的交流を図るとしている。さらに、大学や研究機関が「秋葉原で実地調査を行いたいが、どの機関に申請すればよいのか?」といった疑問に対しては、秋葉原ダイビルを管理するクロスフィールドマネジメントが窓口となって支援する。同社は、そのほかにも研究支援のためのさまざまなサポートを検討しているという。

 石原都知事は「ここまでの規模を誇る電化街は世界で秋葉原だけだ」と前置きし、「日本の改良技術は世界トップレベルだ。開発が早すぎて、秋葉原の店員でさえも説明できないほどである。今後は、秋葉原が日本のIT技術をけん引していくだろう」と期待を込めたコメントを送った。また、ダイビル 代表取締役社長 広瀬忠邦氏は「8月24日に開通予定の筑波エキスプレスが開通すれば、さらに利便性と産学連携の密度が増すだろう。秋葉原を、現在の“世界一の電気街”という機能に加えて、“世界一のIT産業の街”にしたい」と抱負を語った。

(@IT 大津心)

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秋葉原ダイビル
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