日本からのフィードバックを大事にしたセキュリティソフト

2005/4/7

 「今回の新製品は、世界各国からさまざまなフィードバックが寄せられるが、特に日本からのフィードバックを重視して開発した」。こう述べたのは、英クリアスウィフト グローバルオペレーション担当副社長イアン・ボウルズ(Ian Bowles)氏だ。あわせてクリアスウィフトは、メールセキュリティ製品「MIMEsweeper for SMTP 5.1」を4月28日に発売すると発表した。

英クリアスウィフト グローバルオペレーション担当副社長イアン・ボウルズ氏
 クリアスウィフトは、1982年創業のネットテルが前身。創業時よりメッセージングソフトウェアや軍事用メッセージングなどを開発・提供している。2001年には社名をクリアスウィフトに変更、2002年にはボルチモア・テクノロジーズのコンテンツフィルタリング部門であるコンテンツ・テクノロジーズを買収し、「MIMEsweeper」シリーズを獲得した。ボウルズ氏によると、現在1万5000組織、2200〜2300万ユーザーに利用されており、コンテンツフィルタリング市場で首位のシェアを獲得しているという。

 新製品のMIMEsweeper for SMTP 5.1では、日本語対応などを強化。従来のバージョンでは英語版を最初に作成し、そのあとに仏語版や独語版、日本語版などのローカライズ作業を行っていたため、数カ月のブランクが発生していた。しかし、今回のバージョン5.1から多言語サポートの強化を含め、世界一斉発売に向けた取り組みを行った。コンテンツフィルタリングにおいても多言語対応を強化し、「アラビア語以外のすべての言語に対応した」(ボウルズ氏)としている。

 ボウルズ氏は特に日本市場が重要であると強調。実際にバージョン5.1の開発では、世界中から寄せられる要求の中でも、特に日本からの要求を重視して取り込んだという。同氏によると、「日本でのビジネスは好調で2004年はスタッフを倍増した。もうすぐ大手企業との契約も成立し、さらに拡大するだろう」と語っている。

 そのほかの機能強化では、複数台のポリシーサーバを一括管理できる機能の追加や、インストール時にテンプレートを選ぶだけでポリシーを設定できる機能、悪質なスクリプトを検出するスクリプトマネージャなどを搭載した。管理機能でも、全体のポリシーと送信ポリシー、受信ポリシーをそれぞれ別に設定できるようになった。これにより、複雑化するポリシーの管理負担を低減している。また、サーバ側で処理保留となったメールに対して、受信者自身が「スパムであるか、ないか」を設定する「PMM(Personal Message Manager)」機能を搭載したことによって、一層の誤検知率の低下を図っているという。

 ボウルズ氏は、「今後12〜18カ月の間に、さらに攻撃は高度になっていくだろう。特に複合型の脅威が増して、Webサイトとメールを一元的に管理・防御する必要性が高まっていく。また、社内からの情報漏えいなどの脅威も注目だ」と予測。さらに今後のリリース予定を「10〜12カ月後までに6.0をリリースする。6.0では、社内の全メールを一括管理できるようになり、同一のポリシーをすべてのメールに適用可能となる予定だ」と明らかにした。

(@IT 大津心)

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クリアスウィフト報道発表資料

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