目指すは「Apache」、国内OSSプロジェクト支援グループ発足

2005/4/16

テンアートニ代表取締役社長 の喜多伸夫氏(左)と米CollabNet CTO Brian Behlendorf氏(右)

 国内のオープンソースソフトウェア(OSS)プロジェクトを支援するグループが4月15日に発足した。参画企業はテンアートニを中心とした7社で、グループ名はOSCJ.net(Open Source Collaboration Joint Network)。ソフトウェア開発基盤の提供やサーバのハウジングなどインフラ面での支援に加え、開発プロジェクトの運営支援なども行う。初期の支援プロジェクトには「Project Blue Quartz」や「Seasarプロジェクト」「Ninja-VA」「uCLinux for H8」がある。OSCJ.netでは支援するOSS開発プロジェクトを2005年度中に10程度まで増やしていきたい考え。

 国内外を問わず、OSSプロジェクトが抱える問題にはいくつかの共通点がある。開発者にとっては、共同開発者不足という問題や開発ツール、コラボレーションツールなどの開発基盤の構築コストの捻出やそのメンテナンスの煩雑さ、プロジェクトそのものの知名度を上げる施策の難しさなど。OSSを使用するユーザーにとっては、プロジェクトの永続性が確保されているのかという信頼性の問題が付きまとう。また、社内でのソフトウェア開発プロジェクトをオープンソースとして公開したいが、その具体的な方法がわからないなどの情報不足に起因する問題もある。

 OSCJ.netが目指すのは、OSSにかかわるこのような悩みを解決する手段を提供することで、OSS開発プロジェクトの数を増やしていくことにある。国内において、OSS開発プロジェクトのインキュベーション活動を展開するといいかえることができるかもしれない。このような活動の内容は、The Apache Software Foundationに酷似している。実際、OSCJ.netに開発基盤を提供する米CollabNetには、CTOとしてBrian Behlendorf氏が在籍しているが、彼はThe Apache Software Foundationの発足にも関係している人物である。

 OOSのファウンデーションがThe Apache Software Foundationのような成功をするには「支援するプロジェクトが成功するかどうかをきっちりと見極める」(Behlendorf氏)ことが不可欠の要素となる。The Apache Software Foundationではすでに“インキュベーションを成功させるためのプロセス”を確立しているといえるが、OSCJ.netがThe Apache Software Foundationと肩を並べるようなファウンデーションになるには、そのようなプロセスを持つことが求められる。

 OSCJ.netの運営委員会 委員長でもあるテンアートニ代表取締役社長 の喜多伸夫氏はこのことを「(ファウンデーションに)ガバナンス(統治)が存在するかどうか」と表現する。国内にはすでに、OSS開発プロジェクトの支援プログラムとして、SourceForge.jpがあるが、OSCJ.netからみると、必ずしも支援対象プロジェクトが“統治”されて存在しているようにはみえないのだという。

 OSCJ.netが初年度の支援プロジェクト数を10程度に限定するのは、支援することによってプロジェクトの成功(永続的な保守なども含めて)をより現実的なものにする意図がある。

(@IT 谷古宇浩司)

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