アプリサーバの処理を肩代わりする外部プロセッサ、米Azul
2005/4/26
米Azul Systemsは、Javaなど仮想マシンベースのアプリケーションの処理をネットワーク経由で肩代わりして処理するアプライアンス・サーバ「Azul コンピュートアプライアンス」を4月21日に国内で発表した。Azul コンピュートアプライアンスはAzulが「ネットワーク・アタッチド・プロセッシング」(NAP)と呼ぶ機器。アプリケーションサーバからJavaアプリケーションの処理だけを切り出すことができ、サーバ統合などに役立つとしている。
Azul Systemsの代表取締役社長兼CEO ステファン・ドゥイット氏 |
Azulの代表取締役社長兼CEO ステファン・ドゥイット(Stephen W. DeWitt)氏は「サーバ内に収められてきたハードディスクドライブが外部に出され、ネットワークストレージとして複数のサーバで共有されてきた。同様にAzulはプロセッシング・パワーやメモリなどのコンピュータ・リソースをアプリケーションサーバの外に出して、共有して使えるようにする」とNAPのコンセプトを説明した。
複数のプロセッサ、メモリを搭載するAzul コンピュートアプライアンスは、内部にJavaの仮想環境を構築。Javaアプリケーションサーバにインストールした仮想マシンソフトウェア「VM Proxy」を通じて、J2EEとJ2SEのJavaアプリケーションのトランザクションをその仮想環境にマウントして、高速に処理する。アプリケーションサーバとAzul コンピュートアプライアンスはイーサネットで接続する。
アプリケーションサーバはVM Proxyをインストールするだけで、そのほかの環境を変更する必要がない。また、Azul コンピュートアプライアンスはネットワークを経由して複数のアプリケーションサーバ、アプリケーションで共有して使うことができる。このことにより、複数使っていたアプリケーションサーバの数を減らすことができ、サーバや保守、運用管理のコストを削減できるとAzulはアピールしている。
Azul コンピュートアプライアンスに搭載されているのは、Java仮想マシン環境に最適化された独自開発の64bitプロセッサ「VEGA」。1チップに24のコアを搭載し、マルチスレッドで複数のJavaアプリケーションを並列処理する。VEGAはコア間でSMP構成にでき、Azulは4way、8way、16wayの各モデルを用意している。メモリは32GB〜256GBまで搭載する。Azul コンピュートアプライアンスのリソースの使用状況は、Webベースの管理ソフトウェア「Compute Pool Manager」で確認可能。どこまでアプリケーションの負荷が高まったら、Azul コンピュートアプライアンスが処理を肩代わりするかなどのポリシーをアプリケーションごとに設定できる。
対応するアプリケーションサーバは、IBM WebSphereとBEA WebLogic、JBoss。OSはSolarisとRed Hat Enterprise Linux、SUSE LINUXに対応する。今後は、マイクロソフトの.NET環境でもAzul コンピュートアプライアンスを使えるようにする方針。HP-UXやAIXなどサポートOSも広げることを考えている。
Azul コンピュートアプライアンスは国内では伊藤忠テクノサイエンス、日商エレクトロニクス、住商エレクトロニクスが販売し、サポート、サービスを提供する。4wayでメモリが32GBのモデル960の国内価格は13万ドルから。
(@IT 垣内郁栄)
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米Azul Systems
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