Salesforce.com、新製品「Customforce 2.0」を発表

2005/5/26

 米Salesforce.comは5月24日(現地時間)、同社の提供するASP(Application Service Provider)ベースのCRMアプリケーションにカスタマイズ機能を提供するツール「Customforce 2.0」を発表した。同社は新製品の発表にともない、米ニューヨーク市内でローンチイベント「Customforce Day」を開催。同イベントでは、同社CEOのマーク・ベニオフ(Marc Benioff)氏が壇上に立ち、Customforce 2.0の紹介などを行った。

米Salesforce.com CEO マーク・ベニオフ氏
  同社では5月18日(現地時間)に2005年第1四半期(1〜3月期)の決算報告を行っているが、純利益が前年同期比で約10倍になるなど、シリコンバレーの中でも驚異的な成長を見せている。売り上げだけを見ても、同84%アップの6420万ドルとなっており、その大部分にあたる5820万ドルはソフトウェア利用契約(サブスクリプション)とサポートから得たものだ。ASPをビジネス的な側面から見ると、顧客の増加がそのまま売り上げや利益の増加につながるメリットがある。2000年前後には大量のASPベンダが誕生したが、大きな成功を見せた例はほとんどなかった。この決算報告から分かるように、Salesforce.comはASPのビジネスモデルを本格的に体現した初のベンダであり、最大の成功者であるともいえる。

 ベニオフ氏はイベントにて、第1四半期に1600社の顧客を新たに獲得してトータル1万5500社に、ユーザー数は4万人増加して26万7000人になったと説明。また同日、米金融大手のMerrill Lynchを新たなユーザーとして迎え、システムコンサルタント大手のAccentureがシステム導入パートナーとして参加したことも報告した。Merrill Lynchの新規ユーザー数は5000人であり、既存顧客の中でも最大規模のユーザーだという。「インターネットに接続して契約さえすれば、後は使った分だけ料金を払うだけでいい。これが従来型のソフトウェアビジネスとの違いで、オンデマンド・ユーティリティ・モデルを体現したSalesforce.comの特徴だ」とベニオフ氏は同社サービスのメリットを強調した。

 従来のASPでは、手軽に低料金で利用できる反面、カスタマイズ性を備えていないという弱点があった。Salesforce.comでは「SODA(Salesforce On-Demand Architecture)」というプラットフォーム・アーキテクチャを提唱し、カスタマイズに対応する柔軟性やほかのアプリケーションとの連携を提供しつつ、フロントアプリケーションの種類やアクセスするデバイスの種類を選ばずにシステムを利用できる仕組みを用意した。同社では現在、OSにあたる「Multiforce 1.0」や、ほかのソフトウェアとの連携機能を提供する「Sforce 6.0」、開発ツール「Customforce 2.0」、基本アプリケーション「Salesforce」「Supportforce」といった5種類の基本製品を提供している。中でも鍵となるのが「Customforce 2.0」だ。

「従来型のビジネス・アプリケーションでは、製品のカスタマイズのために膨大な資料を読みこなす必要があった。Customforceなら、Javaなどのコーディングを意識せずとも、誰でも簡単にカスタマイズが行える。ゲーム機のPlayStationを扱うようなものだ」と、ベニオフ氏はその手軽さを強調する。Customforce 2.0では、新たに計算式を表示画面中に埋め込める機能を搭載するなど、より複雑なカスタマイズにも対応しており、ビジネス案件に応じた要求を満たせる点も特徴となっている。

 発表会場では、最新アップデートである「Summer '05」のプレビューも紹介された。同社では、年間に3回ペースで全製品のアップデートを行っており、今回のSummer '05は合計で18回目のアップデートにあたる。従来型のソフトウェアであれば、ユーザーが自社のサーバ内のソフトウェアに対してアップデート作業を行う必要があったが、ASP型のSalesforce.comではセンター側で自動的にアップデートが行われるため、ユーザーはあるタイミングで自動的に新しい環境が利用できるようになっている。なお同アップデートは、6月にも公開される予定だ。

(鈴木淳也/Junya Suzuki)

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