SATAディスクの信頼性を向上、NetAppが新ストレージ

2005/5/27

 日本ネットワーク・アプライアンス(NetApp)はミッドレンジ・ストレージの新シリーズ「FAS3000」を5月26日に発表した。低コストが特徴のシリアルATA(SATA)ディスクを使いながら、独自技術の「RAID-DP」を使って信頼性をハイエンドクラスまで高めた。米NetAppのプロダクト・アンド・パートナー担当バイスプレジデント パトリック・ロジャーズ(Patrick Rogers)氏は、「EMCやヒューレット・パッカードなど競合モジュラー・ストレージ製品の2倍の価格性能比だ」と述べた。

米ネットワーク・アプライアンスのプロダクト・アンド・パートナー担当バイスプレジデント パトリック・ロジャーズ氏

 発表したのは最大50TBまで対応するFAS3020と最大84TBのFAS3050。SATAディスクアレイとファイバチャネル(FC)対応ディスクアレイに対応。シェルフごとに利用するディスクを別々にすることができる。通信プロトコルは、IPとFCに対応し、NAS、FC-SAN、iSCSIを使ったIP-SANを構築可能。FCポートは最大20まで対応、ギガビット・イーサネットのポートは最大24まで対応する。価格はFAS3020の最小構成の場合で400万円から。NetAppはEMCやIBM、HPのディスクアレイと接続できる異機種混在環境対応の仮想化コントローラ「NetApp V3020」「V3050」も発表した。

 FAS3000が採用したSATAディスクは低コストで大容量のストレージ構成を組めるのが特徴。しかし、信頼性ではFC対応ディスクに劣るとされている。SATAディスクの信頼性を上げるためにNetAppが利用したのがRAID-DP。RAID-DPは「2重パリティRAID」とも呼ばれる技術で、ストレージの容量を増やすことなく、RAID-1レベルのデータ保護を可能にする。ミラーリングでデータを保護するRAID-1の場合は、利用できるストレージ容量は半分になる。しかし、RAID-DPはRAID内に「対角パリティ」を構成することによって、ストレージ容量を減らさずにフルミラーリングと同等の機能を実現する。

 FAS3000を発表したロジャーズ氏からは競合製品を意識する発言が相次いだ。ロジャーズ氏はFAS3020、3050と、EMCのNAS製品、iSCSI製品を比較し、「FAS3000の価格性能比はEMC製品の2倍」などとした。また、NAS、FC-SAN、IP-SAN、仮想化などの機能で、FAS3000とEMC製品を比較。「FAS3000はより少ない設備、より少ないソフトウェア、より少ない管理コストで実現できる」などと述べ、優位性をアピールした。ロジャース氏はHPのストレージとも比較し、FAS3000の拡張性やパフォーマンスの高さを強調した。

 NetAppが競合他社の製品と比較して自社の優位性を示す背景には、EMCなどこれまでハイエンドストレージをメインにしてきたベンダのミッドレンジ市場への攻勢がある。特にEMCはミッドレンジ市場向けの「EMC CLARiX」シリーズを充実させている。またiSCSIストレージやNASゲートウェイの製品を出荷するなどNetAppと激突する製品が増えてきた。HPもミッドレンジ市場向けのSANストレージを発表し、製品ラインアップを拡大している。ミッドレンジ市場は今後も高い成長が見込まれるだけに、ベンダ間の競争は続くだろう。

(@IT 垣内郁栄)

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