TCOでシスコに競り勝った新モジュール、ノーテルが発表

2005/6/2

 ノーテルネットワークスは6月1日、従業員400人以上の企業のコアネットワーク向けレイヤ3スイッチ「Nortel Ethernet Routing Switch 8600」(ERS8600)の冗長性とトラフィック処理能力を向上させる新モジュール「Nortel Ethernet Routing Swith 8600 R モジュールシリーズ」を発表した。ERS8600は、Passport8600の名称を変更した製品。

ノーテルのイーサネット・スイッチイング・ビジネス・ディレクター サンジーブ・グプタ氏

 ノーテルのイーサネット・スイッチイング・ビジネス・ディレクター サンジーブ・グプタ(Sanjeev Gupta)氏は、企業が求めるネットワークについて、「音声通信やマルチメディアアプリケーションをIPネットワーク上で問題なく処理できることが求められる。そのためには、冗長性やTCOを向上させることが必要」と述べ、新モジュールがニーズに十分に対応できるとした。

 新モジュールは10ギガイーサネット対応などの5製品を用意。専用ソフトウェアを利用してERS8600同士をクラスタリングさせる「Resilient Terabit Cluster」(レジリエント・テラビット・クラスター)と呼ぶ構成では、最大2テラビットの処理能力を実現する。

 レジリエント・テラビット・クラスターでは、ノーテル独自の冗長化技術である「SMLT」を10ギガネットワーク上で利用でき、QoSや音声、データ、アプリケーションなどのトラフィック処理能力を向上させられるという。障害回復の時間は1秒以内に短縮できたという。「標準化されている障害発生時のリルート技術であるスパニングツリープロトコルを用いた場合は、10〜30秒を要し、ラピッドスパニングツリープロトコルを用いた場合は5〜15秒かかるといわれている」(グプタ氏)。

 グプタ氏によると、新モジュールはカルフォルニア州サンノゼ市役所に新規導入された。「サンノゼ市役所では、従来、シスコシステムズの機器でネットワークを組んでいたが、5年間の運用コストも加味して試算し、TCOで勝るノーテルが受注できた。市民へのサービスを提供するうえで、VoIPやマルチメディアネットワークの冗長性は最も重要だが、新モジュールが提供する1秒以内の障害回復機能も評価された」(グプタ氏)。

 新モジュールの価格は359万9000円から。ERS8600のシャーシは10スロットの場合で143万9000円。

(@IT 富嶋典子)

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