名称変更して心機一転? 「Interop Tokyo 2005」開幕

2005/6/9

 アジア最大級のネットワーク関連イベント「Interop Tokyo 2005」(旧N+I)が6月8日、千葉県の幕張メッセで開幕した。Interrop 2005 Tokyoは、1994年から2004年までの過去11年間にわたって「NetWorld+Interop Tokyo」の名称で開催されていたイベント。今年から「Interop Tokyo」に名称が変更された。今年のテーマは「ユビキタスを支えるインターネットテクノロジー」だ。

開催時期や名称は変わった「Interop Tokyo 2005」だが、相変わらず来場者は多い
 Interop Tokyoは、約300社の出展企業がさまざまなサービスや製品を展示している「パビリオン」、最先端技術を結集したネットワーク環境を展示する「ShowNet」、最先端技術などを解説する「基調講演/カンファレンス」の3つで構成されている。参加予定人数はアジア最大となる16万人を予定している。基調講演では、NEC 代表取締役 執行役員社長 兼 財団法人インターネット協会 理事長の金杉明信氏が「豊かなユビキタスネットワーク社会の実現に向けて」と題した講演を行った。

 金杉氏は冒頭、ここ数年で情報が爆発的に増加していると強調。例として、Webページの数はこの10年間で1000倍の400億ページ、ストレージの出荷容量は10年で100倍の250ペタbytes、インターネットのトラフィックも10年で1000倍に増えているといった数字を挙げた。さらにここ数年間は、ただ情報量が増えただけではなく、ブログやSNSといった新しいサービスの登場で、情報の発信源も増加していると指摘した。さらに、ICタグやホームネットワーク、モバイルといったデバイスの進化も情報発信源が増える一因となっているという。

 このような情報爆発と情報発信源の増加によって、個人の自由な表現の場が増えるメリットや、悪意のあるネット上での批判などのデメリットがそれぞれ増加することは必須であり、今後はこれらの情報を管理する技術が重要になるとしている。また、ブロードバンドなどの普及により、eビジネスも躍進し、ヤフーオークションの年間取扱高6400億円や楽天の売り上げ4000億円などは、既存の大手デパートの売り上げ約6000億円に近づいており、「リアルの取引からネット取引に一部がシフトしている」と分析。さらにモバイルコマースも拡大していることから、今後一層eビジネス/eライフ市場は拡大していくと予測した。

NEC 代表取締役 執行役員社長 兼 財団法人インターネット協会 理事長 金杉明信氏
  このような情報爆発やeコマース拡大に対応するためには、ネットワークインフラも重要だ。金杉氏によると、NTTやKDDIなどは今後バックボーンの光化を推進するほか、モバイルにおいても第三世代携帯電話の普及やスーパー3G、第4世代携帯電話の登場など、ユビキタス文化を促進していくだろうと述べた。このようなネットワークインフラの事例では、NTTドコモのiモ−ドゲートウェイ「CiRCUS」を例示。CiRCUSでは、1秒間に7万5000件のトランザクションと、1秒間に5万回のWebアクセス、1秒間に2万5000通のメールを処理し、1日換算では65億件の処理を実施しているという。

 金杉氏は、このようにインターネットを中心として情報が激変している中、企業の広報活動も変化していると指摘。米国では媒体別の広告予算比率でインターネット広告が24%を獲得し、1位となっているほか、「日本でも2004年にラジオの売り上げを上回っており、この傾向は日本でも見られるだろう」(金杉氏)と予測した。同氏は昨今の興味深い広告方法として日産自動車の車「TIIDA」を例に挙げ、日産が同車の広告をブログで行ったところ、ブログを経由して口コミで広がり、新車ながら売り上げランキング3位に食い込んだと説明した。さらにANAでは、ソーシャルネットワークの仕組みを利用した「ANAフレンドパーク」を開設し、企業とユーザーの信頼関係を築いていると同氏は分析している。

 ユビキタスネットワーク環境構築に向けた整備が進む一方で、脅威も増加している。金杉氏は特に迷惑メールとフィッシング詐欺が問題だと指摘した。例えば、NECの場合、接続PC数16.3万台、ポート数3000、社外への接続速度400Mbytesという環境を構築。同社が1カ月に受け取る2500万通の電子メールのうち、約17分の1にあたる140万通が迷惑メールだという。フィッシング詐欺もこの1年間で約1000倍の約450万件に増加している。これらの脅威に対応するため、NECでは24時間365日体制でサポートしているという。

 ただし、金杉氏はこれらの脅威に対して「産・官・学が連携することにより、必ず克服できる」と強調。インターネット協会などが積極的にこれらの連携を推進していくことによって、「安全・安心なユビキタスネットを構築する」と抱負を語り、講演を締めくくった。

(@IT 大津心)

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Interop Tokyo 2005

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