CPM(企業パフォーマンス管理)が注目を集める理由

2005/6/11

 ベリングポイントのワールドクラス・ファイナンスグループ ディレクター 秦久朗氏は、注目する企業が増えてきた企業パフォーマンス管理(CPM)について、「業績管理と内部統制/リスクマネジメントは表裏一体」などと指摘し、今後はリスクマネジメントを確立する手法としてCPMの重要性が高まるとの考えを示した。

ベリングポイントのワールドクラス・ファイナンスグループ ディレクター 秦久朗氏

 CPMとは計画立案、モニタリング、業績の評価、戦略の再構築というPDCAサイクルを通じて「企業戦略を推進するための経営手法」(秦氏)。CPMは業績評価を支援するITシステムが注目を集めることが多いが、実際は「方法論」「プロセス」「評価基準」「システム」と、企業のビジネス・パフォーマンスを監視・管理する上での「全部を包含するのが重要」という。

 方法論はバランス・スコアカード(BSC)EVA(economic value added:経済的付加価値)、アクティビティベースの管理などを指す。プロセスは予算編成や予測、目標設定、ビジネス・アクティビティ・モニタリング(BAM)など。評価基準は、財務面、非財務面、定性的、定量的と一貫した形で設定される。システムは、ビジネス・インテリジェンスやデータウェアハウス、ダッシュボードなど利用する。

 秦氏はCPMを巡る最近の動向として、「方法論としてのBSCの注目の高まり」を挙げた。これまで企業業績の測定ではキャッシュフローやEVAを見る手法が中心だったが、「ここ2〜3年でBSCによる戦略的・総合的な業績管理が注目を集め、EVAなどと組み合わせて活用する例が増えた」。秦氏は「BSCは昨年から導入が進んできた。CPMはこれからだろう」とした。

 秦氏がCPMの要素として今後重要になると考えているのは、内部統制とリスクマネジメント。「企業戦略の実現に向けて不確実性を認識し、内部の組織やプロセスが効率的かつ有効に働く必要がある」として、CPMのPDCAサイクルの中に、不確実性の認識とその対応を含む「リスク管理」を盛り込む必要性を訴えた。秦氏は特に重要性が増しているリスクマネジメントの例として「業績予想修正の迅速な開示と的確な説明」を挙げて、「自社のことを的確に把握する必要がある」と述べた。

 国内では企業に対する規制を起爆剤にCPMの普及が進むかもしれない。東京証券取引所は今年1月、東証一部、二部、東証マザーズに上場する企業に対して情報開示の規制を強化した。企業が有価証券報告書または半期報告書を提出する際、その内容に“不実の記載がない”ことを代表者が認識していることを示す「確認書」を東証に提出することを求めている。誤った内容を有価証券報告書に記載すると、上場廃止などの処分を受ける。企業は内部統制を的確に行う必要があり、「リスクマネジメントを日本でも求める動きがでる」と秦氏はみている。

 米国では、2002年7月の企業改革法(サーベンス・オクスリー法、SOX法)の制定が企業のCPM導入を後押しした。国内でも同様に企業責任の明確化や情報開示の強化などを求める「日本版SOX法」を制定する動きがあり、CPM普及へのきっかけになりそうだ。

(@IT 垣内郁栄)

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