RSS+Blog+Ajaxでポータル開設、サイボウズが新事業

2005/6/16

 サイボウズは6月15日、新たにブログとRSSリーダーを組み合わせたビジネスパーソン向けのポータル事業に参入すると発表した。190万人以上のユーザーがいるグループウェア製品「サイボウズ Office/AG」「サイボウズ ガルーン」からリンクされ、1日17万人以上のユニークユーザー数がある現行のポータルサイトをリニューアルする。

サイボウズのネットサービス部 ジェネラル・マネージャー 小川浩氏

 日立製作所でビジネスブログを立ち上げ、2005年4月からサイボウズでブログを中心とした新規事業を担当しているネットサービス部 ジェネラル・マネージャーの小川浩氏は「RSSリーダーベースのポータル」と説明し、「RSSやAtomなどフィードを使った新しいビジネスを展開したい」と述べた。

 新ポータルは「cybozu.net」(サイボウズ・ドットネット)で8月に開設予定。利用は無償。RSS技術を全面的に採用し、ニュースやブログの情報がリアルタイムで自分のポータルに表示されるようにする。既存のポータルで配信しているニュースなどもポータルのRSSリーダーで読むことができる。ポータルにはAjax(Asynchronous JavaScript+XML)を採用し、スムーズな画面表示が可能だという。RSSリーダーは無償で利用できるが、8月の開始時は招待制。サービスの利用動向を見て、将来的には自由に使えるようにする方針だ。

「cybozu.net」のログイン後のトップページ。ログイン前でもニュースなどは読める(クリックで拡大します)

 自分のブログを開設できるサービスも提供する。シックス・アパートの「TypePad」を採用し、ポータルのRSSリーダーと連携して使えるようにする。RSSリーダーで興味深い記事を見つけたら、コピー&ペーストなどの作業をせずに、自分のブログに記事を引用できる。記事に対するトラックバックも簡単で、小川氏はブログやニュースを検索できる検索エンジンやPIM機能の搭載も検討している。

 ユーザーの誘導はあるものの、cybozu.netはOffice/AGやガルーンとの連携の度合いは薄い。サイボウズはcybozu.netだけでビジネスを成り立たせる考えだ。ビジネスモデルとして想定しているのは3つ。1つ目はRSSフィードのテキストマッチングによってユーザーに合わせた広告を表示し、クリックによる収入を得る「メディア事業」。2つ目はcybozu.netのサービスと機能をほかのインターネット・サービス・プロバイダやポータルなどのプラットフォームとして提供する「OEM事業」。3つ目はサイボウズの既存製品との連携。グループウェアと組み合わせて、イントラネットでcybozu.netを使えるようにすることなどを考えている。

 初年度はメディア事業で1億円の売り上げを目指す。3年後にはメディア事業とOEM事業を中心に10億円の売り上げを見込んでいる。

(@IT 垣内郁栄)

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サイボウズの発表資料

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