新サービスを相次ぎ投入、ヤフーが検索技術に注力する理由

2005/6/21

 ヤフーは、「Yahoo! JAPAN」の複数の目的別検索サービスを統合して利用できる新しい検索サービス「Yahoo! SEARCH(ベータ版)」を6月20日に公開した。トップページはGoogle風のシンプルなインターフェイスが特徴で、ポータルを検索中心で利用するユーザーへの訴求を図る。

Yahoo! SEARCH(ベータ版)の検索結果ページ(クリックで拡大します)

 Yahoo! SEARCHは、検索ロボット「Yahoo! Search Technology」によるページ検索、「Yahoo!画像検索」「Yahoo!音声検索」「Yahoo!動画検索」「Yahoo!商品検索」を1つのページから利用できるようにした。検索対象の切り替えはページのタブをクリックするだけでできる。ヤフーでは「検索機能を1つのサービスに集結させることにより、一層便利になる」としている。

 Googleなどほかの検索サービスに対抗するため、ヤフーが活用したいのは「Yahoo! JAPAN ID」との連携だ。Yahoo! JAPAN IDでログオンしていれば、検索対象の言語や検索結果の表示方法などの検索条件、カスタマイズを保存可能。オフィスと自宅で同じ検索条件、カスタマイズで検索を利用できる。

米ヤフーのヤフー・サーチ インターナショナルプロダクトマネージメント ディレクター トミ・J・ポータネン氏

 ヤフーが検索サービスに力を入れる理由は、ヤフーが提供する膨大なサービスをユーザーに活用してもらうには、情報を効率的に探し出す検索が鍵になると考えているからだ。米ヤフーのヤフー・サーチ インターナショナルプロダクトマネージメント ディレクター トミ・J・ポータネン(Tomi J Poutanen)氏は6月20日、シーネットネットワークスジャパン主催のイベント「CNET Japan lnnovation Conference 2005 Summer」で講演し、「わたしたちには多くの資産がある。これを統合しなければならない」と語った。統合したサービスをユーザーに提供するために「将来を含めて検索を活用していく」というのがヤフーの考えだ。

 ポータネン氏は講演の中で、「Y!Q」や「Yahoo! Search Subscriptions」「My Web」などベータ版で提供している新サービスを紹介し、検索技術の先進性をアピールした。一方でポータネン氏は、Yahoo!とGoogleの検索技術には「現在は大きな違いはない」と発言。「ネットワークの資産の統合が鍵になる」と述べて、検索サービスの開発ではYahoo!が提供する既存サービスとの連携を重視する考えを強調した。

(@IT 垣内郁栄)

[関連リンク]
ヤフーの発表資料
Yahoo! SEARCH(ベータ版)

[関連記事]
価格.comに対抗? Yahoo!商品検索は検索技術が売り (@ITNews)
ASK.JP、Googleを抜く検索エンジンになる! (@ITNews)
グーグルが前年比で売上2倍、利益5.8倍を達成 (@ITNews)
Yahoo!、「ダイレクト検索」に『為替』と『天気』を追加 (@ITNews)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)