ブレードで実現、HPの次世代シンクライアント環境

2005/6/22

 日本ヒューレット・パッカードは6月21日、ブレードPC「HP bc 1000 blade PC」を活用した新たなクライアント環境「HP Consolidated Client Infrastructure」(CCI)を発表した。クラインアントPCの機能をデータセンターに集約することで、セキュリティの確保とシステム管理におけるコスト削減を目指す。

米ヒューレット・パッカード パーソナルシステムズグループ ビジネスPCマーケティング担当バイスプレジデント ジェフ・グローダン氏(左)と日本ヒューレット・パッカード 代表取締役副社長 パーソナルシステムズ事業統括 馬場真氏

 従来のPCの機能を分解し、ユーザー側にはアクセス端末としてのシンクライアント(HP t5710 Thin Client)だけを残し、CPU、ハードディスクといった主要機能はデータセンター側に集約する。データセンター側にあるブレードPC(HP bc 1000 blade PC:3Uエンクロージャに20枚収納可能)にはクライアント用OS(WindowsXP Professional SP2)とアプリケーションを実装し、ユーザーのプロファイルとファイルは共有のNASに格納する。CCIのユーザー情報はマイクロソフトのActive Directoryで管理し、ログイン認証やアクセス制御を一元化する。ユーザーはネットワークに接続する環境があれば、Microsoft Remote Desktop Protocolを通じて仮想化されたユーザー固有のPC環境を呼び出すことができる。ユーザーがアクセスするブレードPCは、ロードバランサのDAS(Dynamic Allocation Software)が調整することになる。

 企業の情報システムにおいて、シンクライアント環境が少しずつ広がりつつある。日本ヒューレット・パッカード パーソナルシステムズ事業統括 デスクトップビジネス本部の平松進也氏は「2007年にはブレードPC(を活用したシンクライアント環境が)全体の10%を占めるようになるだろう」としている。シンクライアント環境が望まれる背景には、情報漏えい対策および法令遵守対策といったセキュリティ面と、クライアントの集中監視やクライアントの高密度集約、消費電力の低下などの管理コストの削減ニーズがある。同社では4年間CCIで運用した場合、通常のデスクトップPCを使用する時と比較して50%のコスト削減が可能というデータを公表している。

(@IT 谷古宇浩司)

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日本ヒューレット・パッカードの発表資料

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