NECが認証統合型の社員証ICカード開発、自社3万人で実証

2005/7/21

 NECは7月20日、オフィスや情報システムのさまざまな認証をICカードに統合することで情報漏えいを防止する新しいソリューション「UNIVERGE 社員証ICカードセキュリティソリューション」を出荷開始した。ICカードを使った社員証は従来から使われてきたが、クレジットカード機能など付加価値サービスが中心だった。NECの新ソリューションは入退室管理からPC、サーバ、ネットワークの認証を連携させ、認証をICカードに統合する。

NEC 執行役員の都筑一雄氏

 NEC 執行役員の都筑一雄氏は、従来の社員証ICカードの課題として、ユーザーが認証システムごとにICカードを持つ必要がある、複数のICカードを発行する必要があり、コストが増大する、認証ポリシーの管理が煩雑になるなどを挙げた。

 新ソリューションは、入退室の認証やPC、ネットワーク、サーバなどさまざまな認証機能をサーバからダウンロードして、社員証ICカードに追加可能にしたのが特徴。利用するシステムが増えてもICカードを増やす必要がない。また、正規の社員証ICカードを持つ従業員が情報を持ち出すことを防止するため、NECの情報漏えい対策ソフトウェア「InfoCage」と連携し、入室の認証を通らないとPCにログオンできず、ネットワークを利用できないなどのアクセス制御を実行できるようにした。PCの電源を落とさずに退室すると、自動でPCの電源が切れるなどの使い方も可能で、従業員のセキュリティポリシー徹底に役立つ。新ソリューションは300万円から。
 
  NECは新ソリューションを検証するため、3万人の全社員を対象に社員証ICカードを導入する。新たに社員証ICカードシステムを構築し、2006年4月の稼働を目指す。ICカード認証のほかに、社員証に搭載した顔データと、ICカードの持参者を照合するバイオメトリクス認証、モバイルFeliCa対応携帯電話を使った認証、社員証ICカード認証に対応した情報システムのアクセス権限管理なども実証する。

(@IT 垣内郁栄)

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NECの発表資料

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