NetScalerがインターネットユーザーの75%を独占する!

2005/7/29

 ネットワンシステムズは、米国NetScalerの負荷分散&負荷軽減システム「NetScaler 9000シリーズ」の国内独占販売権を取得し、販売を開始した。NetScalerは、米国でグーグルやヤフー、MSN、amazon.com、AOLといった主要ベンダに採用された実績を引っ提げて、日本国内でのシェア拡大を狙う。

 NetScalerは、1999年に元エクソダス コミュニケーションズの元ファウンダー兼CTOであるB.V. Jagadeesh氏がファウンダーとなり、サン・マイクロシステムズのエンジニアを中心に設立された会社。2005年6月2日に、米シトリックス・システムズに買収された。現在は、グーグルの600台をはじめとする世界の5大ポータルがすべて採用・導入しているため、インターネットユーザーの約75%が1日1回はNetScalerを経由しているという。

ネットワンシステムズ ソリューション開発本部 市場開発部 部長 柳下幹生氏
 NetScaler 9000シリーズは、Webアプリケーションの負荷分散と負荷軽減機能のほか、レイヤ7スイッチやロードバランス機能、DDoS防御やSSLなどのセキュリティ機能をすべて1つのアプライアンスに集約しており、管理が簡単なのが特徴だ。このようなアプリケーションの加速や最適化に関するマーケットは全世界で2008年までに約3000億円に成長すると予測されており、そのうち日本は「世界の10%を占め、2008年までに300億円市場になるだろう」(ネットワンシステムズ ソリューション開発本部 市場開発部 部長 柳下幹生氏)と予測されている。価格は最小構成で606万4000円から。

 柳下氏は、「昨今、さまざまな企業がグループウェアやSFA、メールシステムなど、社内システムを次々とWeb化している。しかし、Web化すると“重くなる”というのが常識だ。当社の製品によって、このような重いシステム負荷を軽減させたい」と説明した。また、日本の官公庁やgoogleといったサイトは日々かなりのDDoS攻撃を受けており、これを回避するためにも有効だという。

 NetScalerは、「ラウンド・トリップ(行き帰り)の多いHTTP通信」のトランザクションを集約することで、Webサーバの負荷軽減を図る。具体的には、クライアント−サーバ間にNetScalerを設置することで、この間の通信を集約し、NetScaler−サーバ間の通信を多重化の技術などを応用して10分の1程度に抑える。また、通常であればクライアント−サーバ間で行う通信を、NetScaler−サーバ間であらかじめ終わらせておくことにより、サーバのリソースを早期に開放することができる。また、Webブラウザに標準搭載されているgzipやdeflateといった圧縮機能を用いることで、通信量を10分の1程度に減らす機能も搭載した。実際にNetScalerを導入した企業は、2〜9倍のレスポンスを実現しているという。

 柳下氏は、「Webアプリケーションをさらに快適に動かすことで顧客を増やしたいユーザー。例えば、Yahoo!やlivedoorなどのポータルサイトや、日本航空や全日本空輸などの航空会社、証券会社、ニュース配信メディアなどがターゲットとなる。最も大きいマーケットはERPやSFA、CRMなどをWeb化しているエンタープライズユーザーだ」と説明した。今後1年間で10億円の売り上げを目指す。

(@IT 大津心)

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ネットワンシステムズ発表資料

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