住所、社名を名寄せ、オラクルが「Data Hub」で提供

2005/8/9

 日本オラクルは8月8日、沖縄・うるま市に本社があるソフトベンダ、ジャスミンソフトと提携し、オラクルの「Oracle Customer Data Hub」とジャスミンソフトの「住所正規化コンバータ」を組み合わせた新機能を提供すると発表した。Customer Data Hubについては、6月にも帝国データバンクと提携を発表している。日本企業が管理する顧客基盤を活用するためには“日本標準”の機能搭載が不可欠と判断し、パートナー企業との連携を進めている。

日本オラクルのアプリケーションソリューション本部 シニアソリューションコンサルタント 中山厚紀氏

 Customer Data Hubはオラクルの「E-Business Suite」や他社のERPパッケージ、CRMなどが持つ顧客情報を1つの基盤上に統合し、再利用可能にするミドルウェア。Oracle Database上で稼働し、「Oracle Application Server 10g Integration」がさまざまなシステムの顧客情報を収集する。日本オラクルのアプリケーションソリューション本部 シニアソリューションコンサルタント 中山厚紀氏は「複数システムに分散する顧客情報を統合し、全体として見られるようにする」と説明した。

 ただ、顧客情報を統合するだけでは、再利用は難しい。住所や企業名などシステムごとに入力ルールが異なることが多く、同じ企業なのに1つの情報に集約できない“名寄せ”の問題があるからだ。名寄せができないことで、その企業のデータを正しく判断できずに、与信管理がうまくいかない、取引情報を把握できないなどの問題がでる。

 日本オラクルと提携したジャスミンソフトは、同社が2年前から販売する住所正規化コンバータを、「住所正規化コンバータ for Oracle」として同日リリースした。住所正規化コンバータ for Oracleは日本郵政公社が定めた住所表記に基づき、顧客情報の表記を統一するソフトウェア。市町村合併などにも対応し、システムごとに表記が異なる同一住所の表記を統一する。新たにCustomer Data Hub用のXML標準インターフェイスを開発した。住所正規化コンバータ for Oracleの価格は1CPU当たり8万円。保守料が年間1万6800円。

 日本オラクルは帝国データバンクとも6月15日に提携した。全国124万社のデータを納めた帝国データバンクの企業情報ファイル「COSMOS2」と、Customer Data Hubが連携できるようにした。COSMOS2が持つ企業名のファイルを使って、顧客情報の企業名を統一できる。名寄せや与信管理にも利用可能。日本オラクルは帝国データバンクと営業面でも協力する。帝国データバンクの顧客から80社を選定し、Customer Data Hubと組み合わせた利用法を提案する。

 顧客基盤の統合については、SAPジャパンがSAPのアプリケーションやほかのシステムのマスターデータを集約する「SAP NetWeaver MDM(Master Data Management)」を6月30日に出荷した。日本オラクル、SAPジャパンとも「サービス指向アーキテクチャ」(SOA)への移行を急いでいるが、SOA環境にするには複数システムの情報を統合することが重要。Customer Data Hub、SAP NetWeaver MDMの拡販で、両社はそれぞれSOA移行への下準備を進める考えだ。

(@IT 垣内郁栄)

[関連リンク]
日本オラクルの発表資料(ジャスミンソフト)
日本オラクルの発表資料(帝国データバンク)

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