早くもどろどろ――AMDとインテルの法廷合戦、国内も開始へ

2005/9/3

 米インテルは9月1日(米国時間)、米AMDによる独占禁止法違反の申し立てに対する答弁書を提出した。インテルは答弁書の中で「インテルの商行為が公正であり、かつ法律を順守している」と主張し、「AMDの主張は事実として誤りであり、かつ矛盾している」と反論した。対して、AMDは同日、インテルの答弁書に対して、「内容は想定の範囲内。インテルが独占的地位を乱用している事実は明白」などのコメントを発表した。

 PCベンダに圧力をかけてビジネスを妨害したとするAMDの主張に対して、インテルは答弁書で「AMDの主張は法的矛盾を示す事例を含んでいる」と指摘。「AMDは、競争法を口実に、競争から自らの身を守ろうとしている」として、AMDが独占禁止法を自社のビジネスに利用していると主張した。

 答弁書では「AMDは、より低い価格を提供するインテルの能力を阻害することによって、AMDがより高い価格を請求できるようにしようとしている。AMDが自らの身を価格競争から守ろうとする目的は明らか」とも訴えている。

 米インテルの副社長兼法務担当役員 ブルース・スウェル(Bruce Sewell)氏は同日発表したコメントで「(AMDは)実際に直面してきた数々の事業の失敗の責任をインテルに求めるという選択をした」と述べ、AMDを強く非難した。

 一方、AMDはインテルの答弁書について「想定内」としたうえで、「インテルが自社が行ってきたことを隠そうとしているのは明らか」と指摘。「インテルの違法な行為によって、顧客や消費者は現在でも不当に高い価格でプロセッサを購入させられており、最高の製品を入手する選択肢を不当に制限されている」とインテルの行為を訴えた。

 AMD、インテルを巡っては日本AMDも6月30日、インテル日本法人が圧力をかけてAMDの取引を妨害したなどとして、インテル日本法人に対して約60億円の損害賠償を求める訴訟を東京高裁と東京地裁に起こした。日本AMDによると第1回口頭弁論は9月9日に開催されるという。

(@IT 垣内郁栄)

[関連リンク]
インテル日本法人の発表資料
日本AMDの発表資料

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