コグノスCEOが語る「BI成功の戦略」

2005/10/19

 コグノス 代表取締役社長 兼 最高経営責任者のロブ・アッシュ(Rob Ashe)氏は10月18日、同社のイベントで講演し、「ビジネス・インテリジェンス(BI)は広範囲な機能が求められる。その答えはパフォーマンス・マネジメントしかない」と述べ、BIの今後の可能性を示唆した。

コグノス 代表取締役社長 兼 最高経営責任者のロブ・アッシュ氏

 アッシュ氏はBIの歴史を振り返り、「15年前のBI市場はデータを解析し、意思決定をサポートする機能が求められていた」と説明した。しかし、現在のBIが求められる「広範囲な機能」では、加えてコンプライアンス(説明責任)とデータの活用(付加価値)が重要になるとアッシュ氏は指摘した。コンプライアンスとデータ活用の2つを兼ね備えるBIが、アッシュ氏が有効性を強調するパフォーマンス・マネジメントを実現することになる。「日本版SOX法などの公的な法規制に対応するにはデータの活用しかない。パフォーマンス・マネジメントにフォーカスする企業がますます増えるだろう」(アッシュ氏)

 パフォーマンス・マネジメントが明らかにするのは「ビジネスの現状はどうなのか」「原因は何なのか」「どうすべきか」の3点。具体的には、現状を知るにはバランス・スコアカードやダッシュボードを使い、BIで原因を探り、高い頻度のプランニングでどうすべきかを明確にする。つまり、アッシュ氏が次世代のBIと位置付けるパフォーマンス・マネジメントでは、従来のBIを超える広範囲なカバーが必要になるのだ。

 コグノスはこのパフォーマンス・マネジメントの広範囲なカバー領域に対応するため、最新版の「Cognos 8 Business Intelligence」で「プラットフォームとしてのBI」との考えを打ち出した。パフォーマンス・マネジメントの要件をこれまでのBIで実現しようとすると、別のアプリケーションを複数組み合わせる必要があり、管理が難しくなる。Cognos 8ではモジュラー形式で各機能を追加可能にし、「単一のBI製品でトップから現場まですべてのニーズに応えられるようにした」(アッシュ氏)という。

 特にセルフサービスの機能を強化し、現場の担当者が自由にデータ分析をできるようにした。「意思決定にかかわる柔軟な考えを妨げない」(コグノス マーケティング・エリアバイスプレジデント 内田雅彦氏)。また、スコアカード機能も強化し、担当者が分析したデータを基に、どのような行動を次にすべきかをCognos 8が示す機能も付けた。

 アッシュ氏は「BI成功のための戦略」として、社内にBIに関する専門部隊を立ち上げることを提唱した。特に重要になるのがBIの有効な利用法を全社に浸透させるユーザー教育で、このBI専門部隊がユーザー教育を担当することになるという。

(@IT 垣内郁栄)

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