「手にとって分かるSOAを提案します」、HPとBEA、MSが協業

2005/10/20

 日本ヒューレット・パッカード(HP)と日本BEAシステムズ、マイクロソフトは10月19日、J2EEと.NETが混在する環境下でのSOA推進で協業すると発表した。混在環境でのSOAの実証試験を行うコンピテンシー・センターを開設する。HPの取締役副社長 石積尚幸氏は「3社が協力することでチューニング済みで、実際に動き、手にとって分かるSOAを顧客に提案できる」と協業の意義を説明した。

左から日本HPの取締役副社長 石積尚幸氏、日本BEAシステムズ 代表取締役 アリイ・ヒロシ氏、マイクロソフト 執行役 デベロッパー&プラットフォーム統括本部長 鈴木協一郎氏

 SOAを巡ってこの3社が協業するのは世界でも例がなく、日本が初めて。3社は日本HPの市ヶ谷事業所内に「SOAコンピテンシー・センター」(SOA CC)を11月1日に設立する。SOA CCではBEAのBEA WebLogic製品やエンタープライズ・サービス・バス製品、BEA AquaLogic製品と、.NET環境で稼働するマイクロソフトのBizTalk Serverとの相互運用性の検証や、HPのSOA運用監視ツール「HP OpenView SOA Manager」との連携検証を行う。SOA CCにはHPのエンジニア20人のほかに、BEA、MSも人員を派遣する。「紙芝居ではなく、実機によってシミュレーション環境を用意する」(石積氏)としていて、顧客環境に多いJ2EEと.NETの混在環境でのSOAの有効性を示す。

 SOA CCは11月の開設以降、最初の3カ月で3社の製品を個別に機能テストする。2006年2月以降は相互運用性をチェック。さらに5月以降は相互接続したうえで、パフォーマンステストやチューニング手法の確立、可用性テストなどを実施する。石積氏は「ホワイトペーパーに結果をまとめて顧客提案に利用するのがSOA CCのゴール」と述べた。

 HPは、相互運用性の実証試験を受けてSOAのシステム構築サービスを7メニューに整理する。メニューは、ビジョン策定/基本計画策定/基本設計/サービス定義/共通基盤設計・実装/ソフトウェア開発/運用設計管理。SOAに基づくシステムを開発する場合、本来はビジョン策定から実施するが、7メニューの提供では顧客企業の環境を配慮し、共通基盤設計・実装から適用するなど柔軟に対応する。「SOA CCでイメージをつかんでもらい、7メニューをパイロット的に利用してもらう」(HP)。各メニューは個別見積り。ビジョン策定、基本計画策定のケースで525万円から。

 3社はほかのベンダの参加も募り、協業の枠組みを広げる考え。データベースベンダや業務アプリケーションベンダが協業に加わることを期待している。

(@IT 垣内郁栄)

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日本ヒューレット・パッカードの発表資料
日本BEAシステムズ
マイクロソフト

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