SOX法対応で課題、ITコストをどうする?

2005/11/3

 財務諸表の適正性の確保などを目的に企業の内部統制を強化する法制の準備が進んでいる。米国で2002年に成立した企業改革法(Sarbanes-Oxley Act:SOX)と同じ目的で近い構成のため「日本版SOX法」ともいわれる。米国のSOX法では、ITシステムの整備やビジネスプロセスの文書化などで膨大な費用がかかったとされ、初期投資の1社当たりの平均は5億円ともいわれる。日本版SOX法に対応する日本企業にも多くの負担がふりかかることが予測される。ストレージ最大手の米EMCで、Centeraビジネスユニット 上席副社長 兼 ジェネラル・マネージャを務めるトーマス・ハイザー(Thomas P. Heiser)氏は「ストレージによるデータの自己管理、自己治癒、自己設定がコスト低減に有効だ」と訴える。

米EMCのCenteraビジネスユニット 上席副社長 兼 ジェネラル・マネージャ トーマス・ハイザー氏

 Centeraは生成された後、変更することがないデータを保管するために開発されたストレージ。改ざんが許されないERPの財務データや社内の意思決定のプロセスを記録したドキュメント、電子メールなどを保存する。日米のSOX法で求められるデータ完全性に対応するストレージだ。CenteraにはSOX法などのコンプライアンス基準に準拠した「Centera Governance Edition」と、米国証券取引委員会(SEC)の基準に準拠する「Centera Compliance Edition Plus」の2つがある。

 Centeraの特性は保存、保管、廃棄とデータのライフサイクルを自動化できる点。データの種類によって保管や廃棄のポリシーを設定することが可能で、管理者はデータごとのコンプライアンス要件を気にすることなく、ストレージを運用できる。ハイザー氏は、運用管理の自動化でストレージ管理のための人員も少なくできるといい、「米調査会社のメタグループによると、Centeraは300TBのデータを1人の担当者で管理できる。運用管理コストはほかのストレージの10分の1から20分の1だ」と説明する。

 EMCジャパンは文書管理や電子メールのアーカイビングなどアプリケーションとの組み合わせでCenteraを日本版SOX法に対応させる考えだ。日本版SOX法は草案がでた状態で、どのような実務的なガイドラインが今後に示されるかは未定。EMCジャパンとしては、日本版SOX法がどのような内容となっても対応できるよう、Centeraで企業のデータ環境を整備することを訴える。「監査の対象となり得る文書管理システム、ドキュメント、電子メールなどの管理をきちんとしましょういっている。Centeraを使えば異なるシステムでもデータ管理の横串を刺すことが可能」(EMCジャパン CAS営業部 シニア・コンサルタント・システムエンジニア 巨勢泰宏氏)。情報の各フローで利用するアプリケーションとCenteraを結びつけて、監査の対象となるデータだけをCenteraに集約させる。

EMCジャパン CAS営業部 シニア・コンサルタント・システムエンジニア 巨勢泰宏氏

 日本版SOX法に限らず、コンプライアンス関連の法令で求められるのは、監査時に必要なデータを迅速に提出することだ。テープや光ディスクなど従来のアーカイブ用メディアでは、データの検索が困難で迅速にデータを取り出せないというのがEMCの考え。「監査対象のデータが増え、長期保管が求められる中、データは常にオンラインにしておかないといけない」(巨勢氏)。Centeraはメタデータを使って個々のデータを管理するため、物理データの保管場所に関係なく、必要なデータをすぐに見つけることができるという。

 EMCジャパンの営業現場は、日本版SOX法へのユーザー企業の関心の高まりを感じている。「以前に比べると日本版SOX法への意識の高まりはすごい。特に2008年3月期に導入される予定であることを説明すると、『おっ』と乗ってくる」(同社 CAS営業部 アカウント・マネージャー 金子剛之氏)。コンプライアンスに関する需要の高まりから国内でのCenteraの売り上げは毎期ごと伸びているといい、日本版SOX法でさらなる増大を見込む。

(@IT 垣内郁栄)

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EMCジャパン

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