マイクロソフトが業務アプリに参入表明、来年前半にCRM投入

2005/11/17

 マイクロソフトは11月16日、中堅・中小企業向けのCRMソフトウェア「Microsoft Dynamics CRM」を2006年前半に投入すると発表した。ERP製品など「Microsoft Dynamics」のブランドで展開するほかの業務アプリケーションも2006年中の国内市場への投入を検討する。マイクロソフトの業務アプリケーション市場への本格参入で、国産ソフトウェアベンダのパートナーを中心に影響が出そうだ。

マイクロソフトの代表執行役 社長 ダレン・ヒューストン氏(右)と米マイクロソフトのCEO スティーブ・バルマー氏。手に持つのはマイクロソフトが発表した「Windows 20周年 記念パッケージ

 マイクロソフトの代表執行役 社長 ダレン・ヒューストン(Darren Huston)氏が11月16日に会見し、明らかにした。マイクロソフトの業務アプリケーションは「Microsoft Dynamics CRM」のほかに、ERP製品として「Microsoft Axapta」「Microsoft Great Plains」「Microsoft Navision」「Microsoft Solomon」などで、「日本以外のほとんどの市場で展開している」(ヒューストン氏)。同席した米マイクロソフトのCEO スティーブ・バルマー(Steve Ballmer)氏も「今年はわれわれの既存事業、新規事業においても大きなインパクトを与えることになる」と述べ、国内での新規事業に積極的な姿勢を見せた。

 米マイクロソフトは従来、「Microsoft Business Solutions」の名称で業務アプリケーションを展開してきたが、9月にMicrosoft Dynamicsブランドに変更することを発表した(参考記事)。マイクロソフトは将来的にCRM、ERPを統合したスイート製品を出荷する考えとみられる。

 マイクロソフトの業務アプリケーションは主に中堅・中小企業がターゲット。しかし、マイクロソフトはこれまで業務アプリケーションを持つ国産のISVをパートナーにしてきた。そのためマイクロソフト自身が業務アプリケーションに参入すると従来のパートナーと競合関係になる可能性が高い。また、マイクロソフトの重要なパートナーであるSAPは、中小企業向けERPパッケージ「SAP Business One」を積極展開している。

 マイクロソフト関係者の見方では「(国内では)CRMは競合になるベンダは少ないが、ERP製品はもろに競合する。競争と協調など悠長なことはいっていられなくなる」。マイクロソフトはCRMを最初に投入し、パートナーとの関係を調整する考えだが、「ERPをプラットフォーム的にISVに提供し、ISVのソフトウェア製品を組み合わせることも検討するかもしれない」(マイクロソフト関係者)という。

「Windows Live」「Office Live」に強い期待

米マイクロソフトのCEO スティーブ・バルマー氏。来日中に政府関係者とも会談したという

 バルマー氏は米マイクロソフトが11月1日に発表したインターネットベースのソフトウェアサービス「Windows Live」「Office Live」に強い期待を示した。バルマー氏は両サービスについて「ソフトウェアとサービスを融合させ、より大きな価値を提供する」と説明、「大きなポテンシャルがある」と述べた。また、「マイクロソフトにとって売り上げの大きなソースになる」とビジネス面への期待を示し、「これからのオンライン広告の成長の可能性を実現する」と述べた。Windows Liveについては既存のMSNのビジネスと競合するとの指摘もあるが、バルマー氏は「いまのビジネスを補完し、追加する」として売り上げを食い合うことはないとの認識を示した。

 マイクロソフトは11月17日にバルマー氏出席の下で「SQL Server 2005」「Visual Studio 2006」「BizTalk Server 2006」を発表する。

(@IT 垣内郁栄)

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