都市銀行は、もう日本版SOX法への対応を始めている

2005/11/18

 べリングポイントは11月17日、「リテールバンクと保険業界でのIT活用についての調査結果」に関する説明会を実施。「日本の金融業者は、銀行と証券など業態を超えた提携が増えるほか、新BISや日本版SOX法への対応に迫られるだろう」(べリングポイント ディレクター 芽野英治氏)との予測を示した。

米べリングポイント 上級副社長 ポール・マクドネル氏
 この調査は、今後5年〜10年間の金融業界におけるIT活用方法について、Bank of Americaや東京三菱銀行など大手リテール銀行のCEOやCTOなどに聞いた話が基になっている。調査の結果、リテール銀行では主に「グローバル銀行の規模がさらに拡大する」「コモディティ化が進む」「個人向け事業の強化」「規制への対応」という4点が、今後進んでいく可能性が高いと予測した。

 米べリングポイント マネージングディレクター ピーター・ニコノビッチ(Peter Nikonovich)氏は、今後も銀行が取り組むべきポイントとして「ECM(Enterprise Customer Management)」「SOA(Service Oriented Architecture)」「BPM(Business Process Management)」「Enterprise Risk and Compliance」「Governed Alignment」の5つのポイントを示し、「現在これらすべてのポイントに関して、きちんと実行できている銀行はない。今後もこれらへの取り組みは続くだろう。BPMとSOAは3年〜7年はかかるだろう」とコメントした。

 一方、保険業界では、「G7はあまり成長しないものの、BRIC(ブラジル・ロシア・インド・中国)では爆発的にマーケットが拡大する」と予測。21世紀型の保険では、特に顧客サービスが重要だと指摘した。米べリングポイント 上級副社長 ポール・マクドネル(Paul McDonnell)氏は、中でも「顧客自身が広報となり、口コミでサービスを広める力が重要だ」とし、「顧客を満足させるためにも、数少ない接客チャンスであるコールセンターのサービスを重要視する必要がある」と強調した。具体的には、コールセンターの満足度を測定するシステムの導入や、現在手動で行っている作業の自動化などが有効だとした。

 次の重要なポイントとしてマクドネル氏は、保険の流通チャンネルの重要性を「質の高い営業チャネルを持つことが、業界で勝つ近道だ」と説明。営業支援ツールやSFAなどと既存の顧客情報を、いかにうまく連携させるかがポイントになると予測した。

べリングポイント ディレクター 芽野英治氏
 日本における展開では、主に「グローバル化」「コモディティ化」「規制への対応」が求められ、それに対応するために「銀行と証券など業態を超えた戦略的提携」や「真の顧客主義への傾斜」「新BISや日本版SOX法への対応」などが展開として予測されるとした。芽野氏は、日本の金融機関は顧客主義が特に遅れていると指摘。今後、コモディティ化が進むと予測されることから、「顧客主義に基づいたサービス展開と徹底した低コストや業務効率化が求められるだろう」(芽野氏)と説明した。

 日本版SOX法への対応では、まだ法整備がされていないため、本格的な活動は難しいとしながらも、「内部統制に関するクイックスキャン」やその結果に基づく「方針決定」や「文章化」などは現時点でも行えると指摘。このあとに続く、運用テストなどを法律が決まった来年以降に行えばよいという。べリングポイント 代表取締役社長 内田士郎氏は、「大手都市銀行などは、ほとんどがクイックスキャンや方針決定に取り掛かっている。来年3月までに方針決定や文書化まで終えるのではないか。来年以降は、運用テストやシステム化までいけるのではないだろうか。すでに日本でもSOX法対応は始まっている」と語った。

(@IT 大津心)

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