「正直、衝突もあった」、Yahoo!知恵袋開発のプロマネ術は

2005/11/29

 ヤフーが11月7日に正式版を公開したQ&Aサイト「Yahoo!知恵袋」。ヤフー リスティング事業部 技術 門川百合子氏は1年7カ月のベータ開発期間を振り返って、「正直いってプロジェクト内で衝突もあった。プロジェクト・マネジメントの重要性をあらためて感じた」と語った。

 知恵袋自体は韓国のYahoo! Koreaのサービスを移植した。しかし、日本のユーザーに受け入れられるサービスに仕上げるには数多くの作業があった。また、Q&Aサイト自身が立ち上がり時期だっただけに「やりたいことがたくさんあった」(門川氏)。知恵袋のプロジェクトはヤフーのほかのサービスと異なり、比較的多くのメンバーが集まって開発した。それでも問題となったのは「人が足りないこと」。

左からヤフーのリスティング事業部 検索企画室 Yahoo!知恵袋プロジェクトリーダー 岡本真氏、リスティング事業部 技術 門川百合子氏、申健翔氏

 人の不足は特に技術で深刻で、「本来はサービスの開発と運用の担当者が別れているべきだが、人不足で分けられなかった。技術の2人で運用していかないとすべてが間に合わなかった」(門川氏)。開発の人員が足りないのはスケジュール管理がきちんとできていなかったことも要因だった。「いつまでに何をするのか明確でなかった。そのため人が増えても管理ができず、混乱することもあった」

 スケジュール管理を解決するため、プロジェクトの企画担当と技術担当が頻繁に話し合うようになった。企画担当が決定する開発の優先順位に技術担当が口を出すことで、適切なスケジュールを立てられるようになった。プロジェクト内のコミュニケーションの促進で、ベータ開発期間の中期以降は衝突はなくなったという。門川氏は「より現場に近い方が真理に近いことがある」と力を込める。

 知恵袋の正式版がスタートしたいま、門川氏らプロジェクトの技術担当が考えているのはアジャイルソフトウェア開発の採用だ。ベータ開発期間中の開発はウォーターフォール型で、「(仕様書、設計書などが前提にあるため)前に戻って開発することができない」(門川氏)という悩みを抱えていた。

 アジャイルソフトウェア開発には「小さな単位で成果物を上げて、変更があってもほかの機能が影響を受けないようにしたい。スピード感を落とさないようためにどうするかを考えて、アジャイルを選んだ」と期待。「2〜4週間の単位でチームで開発し、ほかのチームと競争するようにしたい」という。ただ、門川氏は「アジャイルは難しい」と感じていて、試行錯誤しながら開発を進めることになりそうだ。

(@IT 垣内郁栄)

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