SQL Server、DB2も監視 ― オラクル管理ツール新版が登場

2005/12/8

 日本オラクルは運用管理ツールの新版「Oracle Enterprise Manager 10g Release 2 Grid Control」(OEM 10g R2)を2006年1月11日に提供開始すると12月7日に発表した。管理対象をオラクル環境から他社のデータベース、アプリケーションサーバ、ファイアウォール、ストレージなどに広げたのが特徴。

 OEM 10g R2はOracle Databaseの監視、チューニングをはじめ、Oracle Fusion MiddlewareやOracle Applicationsなどのアプリケーション、サービス、インフラを管理できる。統一のコンソールで管理対象のサービスレベル管理やリソースのプロビジョニング、セキュリティ管理などが可能。Oracle Database、Oracle Application Serverで稼働するアプリケーション・プログラムの監視が可能で、問題がある場合にその解決法を提示し、管理者が迅速に修正できるようになっている。

日本オラクルの執行役員 システム事業推進本部長 三澤智光氏

 「IBM TivoliがやっとIBM WebSphere上で動くアプリケーション・プログラムを監視できるようにしたが、残念ながらデータベース上で動くプログラムの監視まではいっていない。オラクルはOracle 10gからデータベースとアプリケーションサーバを同一のミドルウェアを見立てて、そのうえで稼働するアプリケーション・プログラムを監視できるようにした。これがほかのシステム監視ツールとまったく違うところだ」(日本オラクルの執行役員 システム事業推進本部長 三澤智光氏)

 OEM 10g R2は従来の機能に加えて、オラクルが設定した標準的なセキュリティポリシーに違反する操作や設定があった場合に警告を発する「コンプライアンス&セキュリティ機能」を搭載。日本オラクル システム事業推進部 営業推進部 山本哲也氏は「セキュリティ項目を自動的に分析してスコア化し、実装状態の評価が可能」と説明し、セキュリティリスクの可視化につながると述べた。

 OEM 10g R2は新たにBEA WebLogic、IBM WebSphere、F5 Load Balancers、Network Appliance Filersを監視可能になった。2006年5月までには、Microsoft SQL Server、IBM DB2 UDBなどの他社データベース、Microsoft .NET、Active Directoryを監視可能にする。Checkpoint Firewalls、Juniper Netscreen Firewalls、Cisco Firewallsも同時期に監視対象に加える予定。その後はJBossも監視可能にする。EMC NS Series NASの対応も検討している。ISVパートナーのプラグイン開発によってCitrix Serverにも対応する。

 他社データベース、ミドルウェア、ストレージをサポートするプラグインのライセンス価格は18万7500円から。米オラクルはOEM 10g R2の他社製品サポートを広げるため、プラグインを開発するISVのためのコミュニティを10月31日に発足させている。山本氏によるとOracle Enterprise Managerは今後、PeopleSoftなどオラクルが買収したアプリケーションの監視も対象とする予定。他社製品のサポートも拡充する。

(@IT 垣内郁栄)

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日本オラクルの発表資料

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