Javaを基幹業務で使うには、HPの答えは「サポート能力」

2005/12/10

 米ヒューレット・パッカードのEnterprise Java Lab Director ラリー・ホー(Lawrence Ho)氏はJava環境のミッションクリティカル分野への展開について「リライアビリティ、サポート、ISVパートナーとの協業、パフォーマンス、モニタリングの5ポイントが重要」と指摘したうえで、「特にサポートの能力がベンダの雌雄を決する」と強調した。日本HPは2005年5月にJava環境のミッションクリティカル分野でのサポートを強化したばかり。日本HPではサポート強化について「具体的な要望がきていた」として、強化よって「金融やテレコムの業種で利用が増えつつある」と述べた。

米ヒューレット・パッカードのEnterprise Java Lab Director ラリー・ホー氏

 ホー氏はJava仮想マシン(JVM)のサポートについて「多くの会社はサン・マイクロシステムズが定めた期間しかサポートを提供していない」と指摘した。対してHPは通常のJVMのサポート期間を3年間延長して、サポートを提供すると説明。HP-UXなどほかの環境で培ったサポートのノウハウをJava環境にも適用しているとして、「エンタープライズレベルのサポートを提供できるのはHPだけだ」とアピールした。

 日本HPが5月から開始しているJava環境のミッションクリティカルサポートでは、JVMの長期間サポートのほかに、SLAに基づくサポートを提供している。ハングアップ/コアダンプ発生時のデータ一括収集ツール、JVM起動時のリソース状況レポート、コア/ヒープ領域アナライザなども使って、障害発生時の原因解析時間を短縮できるという。HPのEnterprise Java Labでも「サンが求める標準のテストに追加して、Javaエンジンのストレステスト、ミドルウェアテスト、長期運用テストなどを行って信頼性を確保している」という。

 また、JVMのパフォーマンスチューニングも独自に行っている。「サン標準のJVMのコンパイラを再設計し、パフォーマンスを向上させている」(ホー氏)。ただ、ミッションクリティカルの業務では「可用性、安定性が最も重要」。プロセスダウンを避けるためにJavaエンジンのパフォーマンスを上げずに、安定性を確保することもあるという。

(@IT 垣内郁栄)

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