スカパー、NTT東西が光経由の多チャンネル放送でタッグ

2005/12/27

 スカイパーフェクト・コミュニケーションズ(スカパー)とNTT東日本、NTT西日本は12月26日、NTT東西の光ファイバー・アクセスサービスを経由したスカパーの多チャンネル放送配信を共同で推進していくことを発表した。

握手するNTT東日本の古賀哲夫副社長(中央左)とスカパーの重村一社長(中央右)

 具体的には、スカパーの100パーセント子会社であるオプティキャストとNTT東西が共同出資で12月19日に設立した新会社「オプティキャスト・マーケティング」を通じ、NTT東西の光アクセスサービスと組み合わせた「光パーフェクTV」の販売運営を進めていく。

 光パーフェクTVは、オプティキャストがすでにマンションを対象として展開している光ファイバー経由の多チャンネル放送サービス。家庭に設置する専用セットトップボックスに対し、スカパーの全チャンネル送信のほか、地上アナログ・デジタル、BSアナログ・デジタル、FMラジオの再送信を行っている。すでに東京23区では、新築マンションの約50パーセントがこのサービスを導入しており、導入見込みを含めると対象世帯は約13万6000戸に上っているという。

 新会社は、当初このマンション向け事業を引き継ぐが、2006年春には一戸建て向けに、光パーフェクTVと「Bフレッツハイパーファミリー」(NTT東日本)あるいは「光プレミアムファミリー」(NTT西日本)を組み合わせたサービスを提供開始する。1本の光ファイバー経由で、インターネット、IP電話、多チャンネル放送を同時に使える利便性を訴求していく。

 光パーフェクTVは、ぷららネットワークスが提供している「4thMedia」のようなIPベースの放送とは異なり、ケーブルテレビと同様にアナログで映像を配信するRF方式を採用している。現在のマンション向けサービスでは、通信サービスと映像サービスを別個の光ファイバー芯線で提供しているが、一戸建てサービスでは1芯の光ファイバーに両者を波長多重して利用する。

 IPペースの放送では著作権処理の問題が残されているのに対し、RF方式ではこの問題が発生しないため、現時点で衛星経由の放送と同内容のサービスを提供できるのがメリット。

 ただし、スカパーの重村一社長は、今回の提携が将来、IPベースの放送につながっていく可能性も示唆している。同氏は、「スカパーは、コンテンツを持っている企業を多数株主に持っている。将来的には、ぷららなどに対し、著作権処理済みのコンテンツを橋渡しすることもできる」と話した。

 オプティキャスト・マーケティングは、スカパーの代理店である家電量販店や電器店に加え、NTT東西やISPを代理店として、光パーフェクTVを販売していくという。

(@IT 三木泉)

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スカイパーフェクト・コミュニケーションズの発表資料(PDF)

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