インテル Viivが日本でお披露目、ハイデフに積極投資へ

2006/1/11

 インテル日本法人は1月10日、ノートPC向けプラットフォーム「インテル Centrino Duo モバイル・テクノロジ」と、デジタルホームPC向けプラットフォーム「インテル Viiv(ヴィーブ) テクノロジ」の発表会を開催した。同社の代表取締役共同社長 吉田和正氏は2つの新製品について一新した企業ブランドにも触れながら、「プラットフォーム企業への転換を急ぐ」と述べた。

新ロゴの下でプラットフォーム戦略を説明するインテルの代表取締役共同社長 吉田和正氏

 Centrino Duoはデュアルコア・プロセッサの「インテル Core Duo プロセッサ」と「モバイル インテル 945 Express チップセット・ファミリー」「インテル PRO/Wireless 3945ABG ネットワーク・コネクション」で構成。米インテルのデジタルホーム事業本部 副社長 兼 事業本部長 ドン・マクドナルド(Don McDonald)氏は、Core Duo プロセッサが従来製品と比較して性能が68%向上し、消費電力が28%ダウンしたことを説明したうえで、「Centrino Duoは性能、低消費電力、PCのデザイン性、無線LANの高い接続性という4つのベクトルを満たす」と述べた。

 インテルが大きな収益源と見込むのがデジタルホームPCだ。インテル初のデジタルホームPC向けプラットフォームとなるViivは、「ユーザーがホーム・エンターテインメントに期待するすべての機能が入っている」(マクドナルド氏)といい、「PC+テレビ+インターネット+コンテンツを実現する」という。

 Viivは、デュアルコア・プロセッサの「インテル Pentium D プロセッサ」またはCore Duoと、インテル 945、955、975 Expressのチップセット、「インテル PRO/1000PM」または「インテル PRO/100 VE/VM」のネットワーク・インターフェイスで構成する。OSはWindows XP Media Center Edition 2005に限定。Viivに対応したPCではリモコンを使ってテレビのようにPCを操作可能。音楽やビデオ、ゲーム、テレビ番組などを家電のような統一のインターフェイスで利用できる。5.1ch、7.1chのサラウンド・サウンドとハイデフィニション動画に対応する。

1月1日付けでインテル日本法人の代表取締役共同社長に就任したロバート・スウィヌン氏(左)。1月9日に来日した

 Viivが提供する機能は日本のPCベンダなどがこれまで個別のアプリケーションで実現してきた機能とほぼ同じだ。いわゆるテレビパソコンを可能にするためのプラットフォームといえる。PCベンダとの違いは、関連業界との協力でViivを業界標準のプラットフォームにすることを狙っていること。インテルはViivの提供に当たり吉本興業やUSENなどネット上でコンテンツを配信するプロバイダーと提携した。

 インテルはViiv対応コンテンツのプロバイダーに対する投資も行う方針だ。無線LAN対応を特徴にしていた初代のCentrinoプラットフォームでは、同社は無線LANアクセスポイントの整備などインフラ面への投資も行った。ViivでもCentrinoの成功を踏襲する考えで、コンテンツ・プロバイダーなどとの協業を通じて、ハイデフィニション動画作成の支援を行う。同社共同社長の吉田氏はコンテンツへの投資について「考えている」と明言した。

(@IT 垣内郁栄)

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インテルの発表資料

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