デジタル家電特需に期待、富士通が1.8型HDDに新規参入

2006/1/14

 富士通は1月13日、デジタル家電やモバイルPC向けの1.8型ハードディスクドライブ市場に新たに参入すると発表した。富士通はモバイルPCやサーバ向けに2.5型と3.5型HDDを生産しているが、今後ポータブル音楽プレーヤー、ハードディスクレコーダー、カーナビ、ビデオカメラなどデジタル家電でのHDD利用が増えると判断した。新規参入で、HDD出荷台数を2008年度に現在の2倍にすることを目指す。

富士通の経営執行役常務 ストレージプロダクト事業本部長 古村一郎氏

 富士通は、デジタル家電のHDDインターフェイスであるCE-ATAの技術を持ち、1.0型HDDを開発している米コーニスと提携。垂直磁気記録方式を採用した60GB(1プラッタ)、120GB(2プラッタ)の1.8型HDDを共同開発し、2007年度前半に富士通が販売を始める。1.8型HDDは現在、日立グローバルストレージテクノロジーズと東芝が生産している。

 富士通の経営執行役常務 ストレージプロダクト事業本部長 古村一郎氏は「2008年にはシェア20%を獲得したい」と述べた。「モバイルPCもダウンサイジングが進んでいる」として、1.8型HDDをモバイルPCに対して供給することも発表した。

 1.0型、0.85型などより小径のHDDについては「内部で参入を検討したがフラッシュメモリとの競合があり、苦戦すると判断した」として参入を否定した。

 富士通が1.8型HDD市場に新規参入する背景には、PCやサーバ以外のデジタル家電製品でのHDD利用が増えるという期待がある。富士通の調査によると2005年のHDD総出荷のうち、PCやサーバ以外で使われるHDDの比率は20%。デジタル家電の利用が増えることでHDDの出荷も増えて、2010年には44%がデジタル家電などのノンPCで利用されると予測している。出荷台数は2億5100万台となり、「デスクトップPC向けHDDに匹敵する規模になる」(古村氏)。古村氏は「デジタル家電向けなどの市場を無視してわれわれのビジネスは難しい」と語った。既存製品の2.5型HDDもデジタル家電向け製品を強化する。

 富士通の2005年度のHDD出荷台数は、2.5型と3.5型で2600万台。売り上げは2800億円程度。1.8型HDDに新規参入することで富士通は、2008年度に総出荷台数を2倍強の5400万台、売上高4000億円に押し上げることを目標にしている。HDDの世界シェア(売上ベース)は現在は5位だが、2008年度には3位に入ることを目指す。2010年度には8200万台を出荷し、5100億円の売り上げを狙う。

 サーバ向けでも小径のHDDが利用されると富士通は判断していて、新たにSAS(シリアル・アタッチド・SCSI)インターフェイスの2.5型HDDを投入する。サーバ向けHDDは3.5型HDDの利用が優勢だが、古村氏は「2.5型HDDを使えばフットプリントを小さくし、サーバの消費電力を抑えることができる。顧客のTCO削減につながる。2.5型HDDへのシフトは必ず起きる」と強調した。富士通では2008年にはサーバ向けHDDの55%が2.5型になると予測している。

(@IT 垣内郁栄)

[関連リンク]
富士通の発表資料
米コーニス

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