【特報】東証「ライブドアショック」で売買停止、システム障害を懸念

2006/1/19

 東京証券取引所は1月18日、売買注文が急増してシステム障害が発生する危険があるとして同日午後2時40分に東証1部、2部、マザーズの全銘柄の取引を強制的に停止した。ライブドア事件を受けて同社や関連会社、IT企業株に売り注文が殺到し、システム処理能力の上限に達する危険があった。東証が自らの判断で全銘柄の売買を停止するのは初めて。東証は1月10日にシステムの増強を行ったが、さらなるシステム増強が求められる可能性が高い。

 午前の取引を終えた段階での約定件数は350万程度で、東証は「約定件数が400万件を超える場合には、システム処理の継続に支障が生じることから、株式の全銘柄について取引を停止する」と事前に通告していた。東証は小口の注文を減らすよう証券会社や投資家に呼びかけたが、注文件数は減らなかった。約定件数の処理能力の限界は1日450万件。午後2時25分には約定件数が400万件程度に達し、東証は午後2時40分に売買を停止した。

 午後2時40分の終値は平均株価が前日比464円77銭安い1万5341円18銭だった。ライブドアと関連企業のライブドアマーケティング、ライブドアオート、セシールには売り注文が殺到。ストップ安売り気配のまま売買停止となり、取引は成立しなかった。

 東証は2月をめどにシステムの増強を終える計画で段階的に拡張を行っている。1月10日には注文受付ファイルの拡張、クラスタサーバの増設などで1日当たりの注文件数を750万件から900万件に増強した。注文受付処理能力も従来と比べて約1.3倍に向上させていた。だが、売買停止に追い込まれたことから、さらになるシステム増強が求められるのは必至。18日の取引では東証がシステムを増強するとの思惑からNTTデータ、日本オラクルなどが値上がりした。

 また東証は、19日以降、午後の取引開始を30分繰り下げて午後1時からにすると発表した。期間は「当分の間」(東証)。注文件数が850万件、また約定件数が400万件を超える場合も、あらかじめ通告した上で全銘柄の売買を停止する。

(@IT 垣内郁栄)

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東証の発表資料

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