見た目は赤から青へ、「IBM System i5」登場

2006/2/2

日本IBM システムi5事業部 事業部長 野々下信也氏

 日本IBMは2月1日、eServer iシリーズの後継機「IBM System i5」を発表した。1つのCPUを最大10区画に論理分割可能、処理量の変化に応じながらCPUやメモリの資源を自動的に配分できるなどの仮想化機能が組み込まれている。それぞれの区画にはi5/OSをはじめ、AIX 5LやLinuxといった数種類のOSを動かすことができる。また、従来、AS/400の後継機はハードウェアの前面に縦の赤いラインが走っていたが、「IBM System i5」からは青いラインに変更した。

 2005年7月、同社はシステム製品の5年後を見据えた中期戦略「IBM Systems Agenda」を発表、eSeverブランドを「IBM System」に変更するとともに、システム全体の仮想化を推進することで、IT基盤としての性質をより強調する構えを示した。「IBM System i5」もいくつかの点で「IBM Systems Agenda」に沿いながら、従来からの製品戦略の見直しを図ることになった。

 メインフレームからクライアント/サーバに移行した1990年代、システム開発の容易さからAS/400の需要は高かった。が、同システムが優位性を発揮した中小規模企業向けのシステム開発現場では、2000年以降パッケージソフトウェアを活用したシステム開発手法が一般的となり始め、同時にシステム基盤も標準にのっとった環境が競争力を持ち始めた。同社は1996年にAS/400の独自パッケージ開発から撤退し、ソフトウェア開発はビジネスパートナーに任せる施策を展開するが、米国でAS/400後継機がWeb化、ディザスタリカバリー用途などで需要を拡大しているのと比較すると、国内市場では若干の伸び悩みがあった。

 そんな状況の中、同社は従業員500人以下の中小規模企業におけるサーバ統合需要を喚起するためにも、「IBM Systems Agenda」に沿って「仮想化」「オープン化」などのキーワードを掲げながら機能面での強化を図る一方で、ビジネスパートナー7社と「IBM System i5」を核としたシステム構築のための研究会「System i5 ソリューション研究会」を発足した。同研究会は、システムインテグレータやソリューション・プロバイダが連携し、低価格かつ短期間でシステム構築を行う方法を模索することを目的とする。

(@IT 谷古宇浩司)

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