少子化、2007年問題に効く? 日立システムの人材戦略

2006/2/17

 日立システムアンドサービスは2月16日、同社の人材戦略支援ソリューション「リシテア Career」に組織パフォーマンス分析機能を追加したと発表した。新機能によってチームごとにメンバーのパフォーマンスとモチベーションを把握でき、的確な人材投資とチームのパフォーマンス最大化が見込めるという。

 リシテア Careerは、同社の人事申請業務ソリューションのソフトウェア「リシテアシリーズ」の1製品。シリーズには就業管理のリシテア Job、工数管理のリシテア Costなどがある。

日立システムアンドサービス 執行役 石井清氏

 同社は人材を、「効果的な投資によって価値を高めることが可能な『人的資本=人財』」と定義。日立システムアンドサービス 執行役 石井清氏は、現在の人材市場を取り巻く状況について「少子化による労働力の減少、2007年問題によるノウハウの喪失という問題を抱えるいま、既存人材の戦力を的確に把握し、効果的に育成し、最大に活用することが必要。人材戦略への顧客の関心も高く、人材セミナーの告知をするとあっという間に人が集まる」と語る。

 リシテア Careerは、同社の人材戦略施策に基づく社内システムをベースに開発されたもので、「弊社の戦略ノウハウが反映されている」(石井氏)。社員のスキル診断やアクションプランの作成などの計画系機能、研修申し込みや受講状況、成績などを一元管理する研修系機能、社員のスキルデータベースを構築し、特定の人材の検索や社員の戦力分析を行える実績系機能を持つ。この3機能によって、社員にはPDCAサイクルによる効率的なキャリア形成とナレッジの共有を、経営陣には戦力の現状分析、設定ゴールとのフィットギャップ分析と人材戦略の策定を可能にする。

 例えばITSSベースで社員のスキルをマッピングし可視化することで自社の戦力を把握でき、社員が入力した上司や職場、仕事への評価を分析することで、チームごとのメンバーの仕事環境やモチベーションの変化の把握ができる。

 組織パフォーマンス分析機能では、メンバーの「知的能力発揮度」と「ワーキングモチベーション」を基に「チームリレーションマップ」を作成。上司のリーダーシップの発揮度合いと組織の行動特性を分析し、的確な人材投資、チームのパフォーマンス最大化につなげることが可能だという。

 今後の展開について石井氏は「社内システムをベースに、プロジェクトマネジメントを支援する『リシテア project』を開発中だ。リシテア Career、リシテア Job/Costとの組み合わせによって人材戦略を支援する。人材戦略とは要するに人材配置。『このプロジェクトには誰と誰を配置すれば成功する』というところまでいきたい」と語った。リシテア projectは2006年度中に製品化予定。

 リシテアシリーズの2005年度の売上実績は約16億円で、2008年度にはリシテア Careerは約4億8000万円、Career以外のリシテアは約22億円の売り上げを目指すという。

(@IT 長谷川玲奈)

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日立システムアンドサービス「リシテア Career」

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