中小規模企業のSOA需要は2007年から2008年、フォレスター

2006/2/24

米フォレスター・リサーチ バイス・プレジデント ジョン・ライマー氏

 米フォレスター・リサーチ バイス・プレジデント ジョン・ライマー(John Rymer)氏を囲むラウンドテーブルが2月23日、都内で行われた。テーマはSOA。いくつかの具体的な事例紹介と分析を通し、SOA構築を成功に導くノウハウを公開した。

 コンピュータ・システムをサービスを軸に構築していくという次世代の技術的パラダイムとして、SOAはここ1〜2年ほどIT企業のイメージ戦略に使われてきた。しかし、具体的な事例や構築手法の詳細については(事例そのものの絶対数の少なさから)なかなか入手できないという状況であった。このため、情報技術の調査機関であるフォレスター・リサーチにはSOAに関するさまざまな質問が寄せられてきた。

 今回ライマー氏は、いくつかの典型的なSOA構築事例を紹介しながら、それらの事例を分析して得られた“SOA構築のための教訓”を示した。ライマー氏が指摘する教訓は、これからSOAをシステム構築に採用しようとする企業にとって、成功の糸口になるかもしれない。例えば、ライマー氏はこういう。「システム全体のアーキテクチャを一気に設計しようとしてはいけない。小さく始めて少しずつ規模を拡大していくべきだ」

 同社の調査によると規模が大きな企業ほど、SOAによるシステム構築率が高い。それは、企業規模が大きくなればなるほど、技術規格が異なる情報システムが組織内に分散し、これらを統合しなければならないというニーズがあるためだ。そして、異なる規格で構築された情報システムを統合する技術的なアプローチとしてSOAが採用されているというわけだが、その際、組織全体の情報システムの構造を1から設計し、構築していくというのは現実的ではない。そのために「小さく始めよ」という教訓となる。

 同社に寄せられるSOA絡みの質問には、実際にSOAを導入するうえで検討すべき重要な要素が込められたものがある。「SOAをビジネスに適用させるにはどうすればいいのか」「SOAでサービスを設計するための最良の方法とは」「SOAにおける開発の役割とは」「SOAは新たなインフラを必要とするのか」。これらの質問を発する企業の多くは、これからSOAによるシステム構築を検討する中小規模企業群である。ライマー氏によると、中小規模企業群がSOAによるシステム構築に踏み切るのは2007年終わりから2008年にかけてだという。2007年終わりにはWindows VISTAをはじめ、マイクロソフトの次世代製品がリリース済みとなる見込み。中小規模企業群の多くにはマイクロソフト製品が導入されており、次期バージョンのリリースのタイミングを合わせて、システム構成を見直す動きが出てくるとライマー氏は予測する。

(@IT 谷古宇浩司)

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米フォレスター・リサーチ

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