iDCに欠けていたのはサービスだった、MKIネットが統制支援を開始

2006/2/28

 三井情報開発と三井物産セキュアディレクションの合弁企業で、インターネットデータセンター(iDC)事業のMKI ネットワーク・ソリューションズは2月27日、ホスティングしている顧客企業に対して提供する新サービス「Govern@nce Office」(ガバナンス・オフィス)を4月から順次開始すると発表した。2008年度3月期にも導入されると見られる日本版の企業改革法(日本版SOX法)をにらみ、企業の内部統制の構築支援をiDCを通じて提供する。

MKI ネットワーク・ソリューションズの代表取締役社長 石黒太郎氏

 iDCで預かるのはデータベースやOS、ネットワークなどITインフラの運用管理。IT統制の観点ではITの全般統制となる。「内部統制の動きに対応するには分散したITリソースを集約し、一元的に管理・運用する仕組みが必要。そのためのオペレーションセンターとして、iDCが果たす役割がとても重要になる」(MKIネット)。Govern@nce Officeはホスティングしている顧客向けに複数のサービスを用意することで、全般統制の構築を支援する。当初に用意するのは4つのサービスだ。

 「Identity Govern@nce」はマイクロソフトのActive Directoryを使って顧客企業のアカウントを管理するサービス。Active DirectoryサーバはiDCに設置し、MKIネットが運用管理する。iDCに置くことで物理的な可用性を向上し、不正利用を防げるという。クライアントの操作を監視・記録し、レポートするなどのサービスも用意する。「Data Govern@nce」はデータ・ストレージをiDCに集約することで、管理コストの削減やセキュリティの向上を可能にするという。データへのアクセスコントロールやモニタリング、ロギングを実施し、監査対応の迅速化が図れるという。顧客企業のPCをシンクライアント化してデータをiDC側に統合するサービスも用意する。

 「Mail Govern@nce」は電子メールサーバの運用管理をiDCで行うサービス。コンピュータ・ウイルス対策やスパムメール対策などをゲートウェイで提供。全メールのアーカイブも行って、監査時のメール提出に備える。「Business Govern@nce」は業務アプリケーションをITIL準拠の体制で運用するサービス。運用プロセスの可視化や標準化、ドキュメント化が可能で、運用管理ログの記録によって全般統制を保証するという。IdentityとMailを4月にリリースし、Data、Businessをそれ以降に順次、提供開始する。

 MKI ネットワーク・ソリューションズの代表取締役社長 石黒太郎氏は「MKIネットの強みは三井の名前を持つこと、都心の東京・東中野にiDCがあること、正社員で運用をこなしている質の高いサポート。この3つで勝負してきた」と語った。しかし、「会社を伸ばしていくためにはサービスの強みが欠けていた。今後はサービスに力を入れる」として、ホスティングしている顧客向けのサービス強化を訴えた。Govern@nce Officeとして4サービスを今回は発表したが、「4サービスと平行でiDCを使うほかのサービスを準備している」という。

 幅広いサービスを提供するGovern@nce Officeではパートナー企業との連携がポイントになる。MKIネットはIdentity Govern@nceでマイクロソフトのActive Directoryを使うことを発表しているが、ストレージ管理や電子メール管理、業務アプリケーション管理のパートナーは明らかにしていない。石黒氏は「親会社の三井情報開発との関係だけではなく、別のシステム・インテグレータとも協力していく」と述べた。

 Govern@nce Officeは月額500万円からの提供を予定。中堅・中小企業向けに機能を限定したサービスも予定する。初年度に大企業で3〜4社、中堅・中小企業の10社程度に売り込みを目指す。初年度の売上目標は3億円。2006年度上期は大企業中心に売り込みを行い、下期からは大企業の連結対象子会社や情報システム子会社にも拡販を広げる。MKIネットは顧客企業の2社と内部統制に対応したiDCのあり方について議論しているという。

(@IT 垣内郁栄)

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