日本IBM、企業向けグリッドのお手軽スターターキットを提供開始

2006/3/1

日本IBMの先進システム事業部長 星野裕氏
 日本IBMは2月28日、企業がグリッド・コンピューティングを安価で簡便に導入できるようにするためのパッケージ、「IBM Grid and Growオファリング」を同日に提供開始すると発表した。同社は新製品により、グリッド・コンピューティングを、科学・技術分野からエンタープライズ分野へ広げていくことを狙う。

 日本IBMが発表した「IBM Grid and Growオファリング」は、グリッドのスターターパック的な位置づけ。小規模グリッド構築用のサーバ・ハードウェア、OS、グリッド・ミドルウェア、導入・教育支援サービスを1つにまとめている。OSとグリッド・ミドルウェアについては提供ベンダとの提携により、幅広い選択肢を用意した。最小構成パッケージの価格は275万円で、別々に購入するよりも約35%割安になっているという。

 同パッケージでは、サーバ・ハードウェアに「IBM BladeCenter」シリーズを採用。BladeCenterのシャーシは、ブレードサーバを最大14枚収容できるスロットを備えているが、これに3枚のブレードサーバを搭載した「タイプA」、6枚のブレードサーバを搭載した「タイプB」の2種類が提供されている。

 この2タイプには、それぞれOS、グリッド・ミドルウェア、導入・教育サービスが組み込まれている。OSはNovell SUSE Linux Enterprise Server、Red Hat Enterprise Linux、AIX 5L、Windowsから選択可能。グリッド・ミドルウェアは、米アルテアのPBS Professional、米プラットフォーム・コンピューティングのLSF、米ユナイテッド・デバイセズのGrid MP、IBMのLoadLevelerから選択できる。

 OSとグリッド・ミドルウェアについては、タイプAでは「ハーフシャーシ・ライセンス」、タイプBでは「シャーシ・ライセンス」が適用される。つまり、タイプAの場合、ブレードを6枚まで拡張しても、OSやグリッド・ミドルウェアの追加ライセンスは不要。タイプBの場合、ブレードを14枚まで拡張しても、これらソフトへの追加ライセンスは要らない。

 IBMでは、グリッドをマス・マーケットに育てるための楔(くさび)として、今回のパッケージをあらゆる規模の企業に対して推進していきたいとしている。

 日本IBMの先進システム事業部事業部長星野裕氏は、「いったんグリッドを導入すると、やがて複数のアプリケーションがグリッドに載るようになり、複数のシャーシにまたがって異機種混在環境での構成へと展開していく。IBMでは、すべてのグリッド・ソリューションを提供していく」と語った。

 同社ではより包括的な企業向けグリッド・ソリューションの提供に向け、OS、グリッド・ミドルウェア、アプリケーションのベンダ各社との協業を推進、検証やプロモーションを行っていくという。

 グリッド・ミドルウェアを提供する1社、パワーコンピューティングの藤森研作社長は、「エンタープライズ・グリッドはハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)におけるグリッドの30〜40倍の市場規模。当社でもバッチ処理からオンライン・トランザクションへの広がりに対応し、開発資源を集中させている」と話した。

(@IT 三木泉)

[関連リンク]
日本IBMの発表資料

[関連記事]
グリッド構築の共通モデリング言語、EGAが発表 (@ITNews)
マツダとNECがグリッド実験で目指す「ITコストの革新」 (@ITNews)
日本HPとノベル、金融グリッドを中心としたLinux領域で協業 (@ITNews)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)
- PR -