これからはヤフオクもセールスフォースで管理?

2006/3/8

 セールスフォース・ドットコムは3月7日、オンデマンドCRM「Salesforce」の最上位ライセンス「Unlimited Edition」を新たに追加したほか、Yahoo!オークションの取引を管理できる「Salesforce for オークション」を発表した。

米セールスフォース・ドットコム 社長 ジム・スティール氏
  セールスフォース・ドットコムは、1月に新しいオンデマンドプラットフォーム「AppExchange」を発表。AppExchangeでは、さまざまなベンダやユーザーが自分自身で作ったカスタムアプリケーションを公開し、他社に販売することができる。公開から約2カ月で188種類(うち、日本語版は25種類)のアプリケーションが公開されており、トライアル(お試し利用)は9万7000回実施され、4400のアプリケーションがインストールされたとした。日本語版25種類の内訳は、セールスフォース・ドットコム日本法人が作成したものが15種類、パートナーやユーザーなどが作成したものが10種類だという。

 業績も好調で、2005年度(2005年2月〜2006年1月)は、導入社数が6600社増加して延べ2万500社に(前年1万3900社、前年比47%増)、ユーザー数は17万2000ユーザー増加して計39万9000ユーザーに(同22万7000ユーザー、同76%増)、売上高は約355億円(同約202億円、同76%増)、純利益が約32億円(同8億円、同300%増)と軒並み順調な数値となった。米セールスフォース・ドットコム 社長 ジム・スティール(Jim Steele)氏は、「数字はすべて順調だが、中でも利益の増加率が高い点が重要だ。今後、毎年300%増を目指していきたい」と意気込みを語った。

 今回発表されたUnlimited Editionは、同社が従来より提供している「Team Edition」や「Enterprise Edition」などの最上位に位置するライセンスとなる。従来最上位だったEnterprise Editionの機能をすべて含むほか、AppExchangeのカスタムアプリケーションを無制限で利用できるサービスや、1企業につき1名のサポート要員が専属で担当する「Premium Support+Admin」、テスト環境を構築できる「Salesforce Sandbox」、6倍のディスク容量が利用可能となる。月額料金はEnterprise Editionの1万5000円に対して、Unlimited Editionは2万4000円だ。

 スティール氏は、「Unlimited Editionは最上位の位置付けだが、決して数千〜数万人規模の大企業だけをターゲットにしたライセンスではない。AppExchangeで公開されているさまざまなアプリケーションを積極的に取り入れ、CRM以外の利用形態を考えているユーザーであれば、数名規模でも数十名規模でも利用するべきだろう。専属のサポート要員がつくPremium Support+Adminだけでも、かなりの価値があると思われる」と語り、ターゲットユーザーが大企業だけでないことを強調した。

 Salesforce for オークションは、SalesforceをYahoo!オークション向けにカスタマイズしたWebアプリケーション。セールスフォース・ドットコムの日本法人とヤフーが共同で開発した。月額210円で利用できる。セールスフォース・ドットコム 日本法人社長 宇陀栄次氏は、「日本ではパートナーが重要だが、ASPではパートナー企業のマージンが少ないのでパッケージ販売とは違う戦略が必要になってくる。当社は、Salesforceにパートナーのサービスを組み合わせて提供する“エコシステム”的なパートナーシップを積極的に進めている。このサービスもその一環だ」と説明した。

「Salesforce for オークション」の画面イメージ。複数商品を一括管理できる。カレンダー上にToDoを表示することも可能だ
  具体的には、Yahoo!オークションの取引先情報や取引先内容の管理、電子メールのテンプレート作成・送付、Outlookとの連携、取引履歴のトラッキング機能などを利用可能だ。例えば、出品時には落札後の定型文があらかじめ用意されているので、それを送るだけでよい。また、商品ごとにToDoや取引状態が表示されるので、「大量出品者にありがちな、誤送信や電子メールの出し忘れなどを防ぐことができる。また、取引履歴をすべて残せるので、万が一詐欺被害にあった場合にも対応可能だ」(宇陀氏)と説明した。

 そのほか、ユーザー自身でカスタマイズすることで「友達の電話番号管理」や「年賀状やお歳暮のやりとり」「保険証書などの管理」といったオークション以外の利用の仕方もできる。宇陀氏は、「Yahoo!オークションには、600万人の課金ユーザー、100万人のパワーユーザー、数千社の企業ユーザーが存在している。このサービスによって、当社はまだ食い込めていないプロシューマー市場への足掛かりに、ヤフーはビジネスユーザーへの足掛かりにしていく」と語り、同サービスの位置付けを説明した。

(@IT 大津心)

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