勝つためのセキュリティ戦略が必要〜三菱商事などSRM分野に進出

2006/3/10

 三菱商事とティーディー・セキュリティ、米SkyBox Securityの3社は3月9日、SRM(Security Risk Management)の分野で戦略的提携を行うことで合意し、今後3社共同でSkyBox SecurityのSRMツール「Skybox View」を中心としたソリューションを提供していくと発表した。

ティーディー・セキュリティ 代表取締役社長 吉田宣也氏
 SRMとは、企業に無数に存在する脆弱性や脅威に対して優先順位を付け、ビジネス上の被害を最小化するためのプロセスを構築するための情報セキュリティ管理手法。一般的に、情報セキュリティの脅威のうち、ビジネスに深刻な影響を与えるものは通常、全体の1〜2%程度であるという。SRMでは、企業の運営継続性や競争力向上などの経営的側面からそれらを見極め、これら深刻な脅威に対応するためのプロセスを構築していく。ティーディー・セキュリティ 代表取締役社長 吉田宣也氏は、「米国でのSRM市場は5億ドル規模といわれている。日本ではまだまだ未開発な分野なので、今年はまず啓蒙活動を行って広めていきたい」と語った。

 Skybox Viewは、脆弱性や脅威の評価や軽減計画、変更保証プロセスを自動化するSRM製品。Skybox SecureとSkybox Assure、Skybox Dashboardなどで構成されている。Skybox Secureは、脆弱性の優先順位設定やパッチ削減計画、リスク軽減計画などの脅威管理を行う。Skybox Assureは、ネットワークポリシーの順守やファイアウォールの監査などのネットワーク系の制御・管理を行う。Skybox Dashboardは管理用ソフトウェアだ。

 今回の提携によって、ティーディー・セキュリティがSkybox Viewの国内総代理店になり、顧客や販売パートナーへの営業・技術支援・保守サポートなどを担当する。三菱商事はマーケティング面などからこれを全面的にサポートする。2006年5月には、Skybox ViewのGUIを日本語化した新バージョン「Skybox View v3.0」をリリースする予定だ。3社は、2006年度で10億円の売り上げを目指す。

 吉田氏は、「これからの情報セキュリティ対策は、ビジネス戦略実現のための必須ツールになってくるはずだ。当社は、Skybox Viewを基本にして“勝つための情報セキュリティ”ソリューションを提供していく」と意気込みを語った。

(@IT 大津心)

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ティーディー・セキュリティの発表資料

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