「日本でテロが起きる前提で準備すべき」〜ジュリアーニNY前市長

2006/3/14

「テロは当然起こるものだと前提して、準備するべき」と警告する、ニューヨーク市前市長のルドルフ・W・ジュリアーニ氏
 フォーバルは3月13日、米ニューヨーク前市長ルドルフ・W・ジュリアーニ(Rudolph W.Giuliani)氏が率いるコンサルティング会社「ジュリアーニ・パートナーズ」と共同で、統合セキュリティコンサルティング会社「ジュリアーニ・セキュリティー・アンド・セーフティ・アジア」(GSSA)を6月に設立すると発表した。東京に本社を置き、日本を中心に中国や韓国の企業に対して、物理/ITセキュリティやリスクマネジメントコンサルティングを提供する。

 GSSAは、ニューヨーク前市長であるジュリアーニ氏が在任時代起きたNY同時多発テロへの事後処理などから学んだノウハウを生かすべく設立された会社「ジュリアーニ・セキュリティー・アンド・セーフティ」の日本法人。物理セキュリティや緊急時への備え、危機管理、ITセキュリティに対して、ジュリアーニ氏などのノウハウを提供する。

 GSSAの共同会長には、ジュリアーニ・セキュリティー・アンド・セーフティCEOであり、元FBIニューヨーク支局のディレクターであったパスカル・J・ドゥモロー(Pasquale J.D'amuro)氏が就任する。ジュリアーニ・セキュリティー・アンド・セーフティは、すでに米国のエネルギー会社などを中心に、中東や欧州の企業に対してセキュリティコンサルティングの実績があり、ノウハウを蓄積しているという。GSSAは6月に正式に設立される予定で、資本金などは未発表だが、出資比率はジュリアーニ・パートナーズが65%、フォーバルが35%を出資することで決まっているという。

 ジュリアーニ氏は、「ジュリアーニ・パートナーズはテロや天災、ITインフラへの攻撃などに関するセキュリティリスクを分析することを行っている。分析によって、テロやITへの攻撃を予想できるようになることが重要だ。企業や官庁は、リスク分析を行ったうえでとにかく事前に準備しておくことが最も重要だ。準備していないのに、何か起きてしまったら後の祭りだ。ヨーロッパや中東では、すでにさまざまな事態への準備が始まっている」と説明した。

 また、フォーバル 代表取締役社長兼会長 大久保秀夫氏は、「日本はいままで、『空気と安全はタダ』という認識でやってきており、現在もそう認識している企業は多い。しかし、現在はそのような考え方は通用しない。ITやセキュリティインフラに対してのセキュリティが重要だ」と警告した。

 GSSAは具体的に、セキュリティレビューやリスク分析、認証・コンプライアンス支援サービス、セキュリティマネジメントや侵入試験、日本版SOX法へのコンプライアンス支援などを想定しているとした。GSSA 共同会長 ウィリアム斉藤氏は、「米国SOX法のノウハウを応用して、日本版SOX法のコンプライアンス対応も行う予定だ」とコメントした。

左から、GSSA共同会長 パスカル・J・ドゥモロー氏、ルドルフ・W・ジュリアーニ氏、フォーバル 代表取締役社長兼会長 大久保秀夫氏、GSSA共同会長 ウィリアム斉藤氏

 ジュリアーニ氏は、日本でテロが発生するリスクについて、個人的見解であると前置きしたうえで「『誰でもテロのターゲットになる』という前提で準備することが重要だ。911同時多発テロの際には、テロ発生前に行っていた電車の脱線対応や飛行機墜落時対応などの緊急時対応などの事前準備が役立った。まさに“備えあれば憂いなし”だろう。事前準備はテロや天災発生時だけではなく、何か事故が起きたときにも役に立つ」と見解を示した。また、大久保氏は、「いままでの日本企業のセキュリティに対する意識は、『仕方ないから投資する』といった消極的なものが多かった。しかし、米国ではあるセキュリティ認証を取得した企業がそれを営業する際の売り文句にし、営業先の企業もそれを一定評価している。このように日本も能動的にセキュリティをとらえ、積極的に投資していくべきだ」と語った。

(@IT 大津心)

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