組込開発需要増大、問題はやはり技術者不足

2006/3/17

 NTTデータは3月16日、「『組込ソフトウェア』の動向と今後の可能性」と題するセミナーを開催した。RFIDの活用をはじめ、組み込みソフトウェアの需要は拡大し続けているが、「急激な市場拡大の影でさまざまな問題が現れ始めているのも事実」とNTTデータ三洋システム 組込ソフトウェア事業部 部長 石橋直氏は話す。

 石橋氏が指摘した問題の第1のものに「技術者不足」がある。機器の高性能化によってそれぞれのエンジニアに高い専門性が要求されるようになってきている。また、プログラムサイズが増大する一方で、納期は逆に短縮されるという傾向も顕著になってきた。日本全体で(十分なスキルを持った)組み込みエンジニアが不足し、要員確保が非常に困難になってきている。

 品質の基準があいまいだという問題もある。携帯電話が顕著な例だが、市場が急激に立ち上がったことで、品質基準を定めるために割くリソースがなく、結果的に出荷製品の品質が不安定になる。技術革新の進歩が早いために、ハードウェア開発の進ちょくや仕様変更の影響がソフトウェア開発に大きな影響を及ぼすこともある。

 そのほか、組み込みソフトウェアに特有の問題として、ソフトウェアの不具合によっても起こり得るリコールのリスクが高いという点がある。使用環境を意識したテストの実施が不可欠だが、現実の開発現場はなかなか理想に近づかないのが現状のようだ。

 組込システムの開発で20年の経験を持つNTTデータ三洋システムでは、このような問題解決の取り組みとして、品質保証基準の作成やソフトウェア工学にもとづく開発手法の確立といった、組織力をいかした開発体制の構築に力を注いでいる。組み込み系開発については、個人技に依存する部分が多いとされているが、組織的な対処能力を強化することで、需要増大による弊害を回避しようとしている。

 「組み込みソフトウェア開発を事業の中核と位置付け、強化する企業が今後増えていく」と石橋氏はいう。実際、Webアプリケーション開発を中心に行ってきた開発企業が、同社に組み込み開発に移行するためのアドバイスを求めてくるケースが増えているという。

(@IT 谷古宇浩司)

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NTTデータ三洋システム

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