ヤフーのWeb2.0的な方向性、ジェリー・ヤン氏がプレゼン

2006/3/29

米Yahoo!の創業者兼取締役のジェリー・ヤン氏

 ヤフーは3月27日、Webサイト開設10周年を記念した記者会見を開催した。同社 代表取締役社長の井上雅博氏のほかに、米Yahoo!の創業者兼取締役のジェリー・ヤン(Jerry Chih-Yuan Yang)氏も登壇した。

 Yahoo!の今後10年の展開を考えるうえで、いわゆる“Web2.0”のトレンドを外すことはできない。ヤン氏はワールドワイドウェブの形態進化の流れを「Public」「Personal」「Social」の3段階と捉え、現在から今後数年の近未来は「Social」なあり方が主流となると話した。

 「Public」的なWebとは、Web黎明(れいめい)期の基本形態を指し、ユーザーはWeb上に公開された情報を閲覧するのがほとんど唯一の行動だった。しかし、Webが「Personal」な形態に移行することで、ユーザーは自分の嗜好(しこう)に適した情報をパッケージにして利用するようになる。Yahoo!のサービスでは、MyYahoo!がそれに当たる。そして、現在では、自分の嗜好をほかのユーザーと共有しながら、コミュニケーション網を拡大していく「Social」段階に入っている。ヤン氏はflickrやdel.icio.usといったサービスを例に引いた。

 “Web2.0”的なワールドワイドウェブは、ユーザーがコンテンツを生成し、生成されたコンテンツ同士がリンクし合いながら、さらに新たなコンテンツを生成していくというプロセスで日々進化を続けている。flickrやdel.icio.usはこのような潮流を形成した最初期のサービスといえるが、「flickr(やdel.icio.us)は、コンテンツをクリエイトする(Webの)エコシステムの構成要素に過ぎない」とヤン氏はいう。Yahoo!としては、Webのエコシステム全体の構築に注力していく方針のようだ。その1つの試みとして、複合型のコミュニティサービス「Yahoo! 360°」(仮称)というβ版のサービスがある。

 ヤフーでは、「Yahoo! 360°」(仮称)に代表されるようなソーシャルコミュニケーションネットワーキング事業を専門に展開する「ソーシャルネット事業部」を新設している。また、携帯電話市場の拡大をにらみ、「PC以外のデバイスでもYahoo!のサービス領域を拡大していく」(井上氏)ために「モバイル事業部」を新たに立ち上げた。そのほか、リアルサイトのサービスとインターネットサービスを融合する「地域サービス事業部」も新設している。井上氏によると、これらの3事業部で展開する事業が「いまのヤフーにとっての重点分野だと考えていい」ということである。

 なお、Yahoo! JAPAN10周年記念事業として、同社はインターネットの技術開発などを行う研究機関「Yahoo!ラボ」(仮称)を2006年度中に設立すると発表した。加えて、災害対策支援に備え、2006年4月に「Yahoo!基金」を創設、2006年度中には、団塊の世代に向けた“提案参加型”のサービス「Yahoo!セカンドライフ」を開始する予定。

(@IT 谷古宇浩司)

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