「Microsoft Virtual Server」が無償に、ゲストOSにLinuxも

2006/4/5

 マイクロソフトは4月4日、1台のサーバ上で複数のWindows OSを稼働させることができる仮想化サーバ製品「Microsoft Virtual Server 2005 R2」を無償にすると発表した。日本語版もあり、同社Webサイトからダウンロード可能。マイクロソフトはVirtual Server 2005 R2上で、ゲストOSとしてLinuxを稼働させるアドインソフトも発表した。

  マイクロソフトのサーバープラットフォームビジネス本部 マネージャ 藤本浩司氏は無償化の狙いについて、「以前からメインフレームやUNIXのシステムでは、オペレーティングシステムに仮想化が組み込まれているが、現状、仮想化を活用しているのは、先進的なハイエンドユーザーの一部」と指摘したうえで、「低価格でハイパフォーマンスのサーバが入手できることを考えると、(無償の)仮想化技術を使うことで、顧客に大きなメリットを提供できる。さまざまな仮想化技術を活用するアイデアがこの技術を普及させる、との考えに基づき、無償化に踏み切った」と語った。

 マイクロソフトは次世代のサーバOS「Longhorn」(開発コード名)に仮想化技術「Windows hypervisor」を組み込む予定。Virtual Server 2005 R2を無償化することで仮想化ソリューションの普及を加速させ、仮想化環境を備えたLonghornに顧客がスムーズに移行できるようにする狙いもあると見られる。

 無償化するのは「Virtual Server 2005 R2 Enterprise Edition 日本語版」。Virtual Server 2005を稼働させるホストOSはWindows Server 2003の各エディション(x64 Editionを含む)と、Windows XP Professional。Virtual Server上で稼働するゲストOSはWindows 2003、XP、2000、NTなどのWindows OS。最大32個の物理CPUをサポートする。

 Virtual Server 2005 R2 Enterprise Editionの従来の価格は、パッケージで4万5800円だった。Virtual Server 2005 R2 Enterprise Editionの無償化にともない、「Virtual Server 2005 R2 Standard Edition」は今後販売を取り止める。

 マイクロソフトはVirtual Server 2005 R2上で、ゲストOSとしてLinuxを稼働させるためのアドインソフトも公開した。Linuxサポートのためのマウスドライバ、ディスプレイドライバと、SCSIディスクなどを仮想的に実行するエミュレータを含む。Virtual Server 2005 R2上でLinuxとWindowsを混在させることが可能になる。サポートするのは「Red Hat」と「SuSE」。ダウンロードは同社Webサイトを通じて行う。

(@IT 垣内郁栄)

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