アクセンチュア、新社長の目標はアウトソーシング事業の強化

2006/4/19

 アクセンチュアは4月18日、2006年4月1日付で同社代表取締役社長に就任した程近智氏が、同社の今後の戦略を説明した。最大の目標に、「ここ数年間で、アウトソーシング事業の割合を30%程度まで引き上げることだ」(程氏)と述べた。

 アクセンチュアは従来より、ビジネスコンサルティングを手掛けてきたが、2003年ころよりシステム・インテグレータ事業にも着手し、2004年度の売り上げのうち、ビジネスコンサルティングの27%に対して、システム・インテグレータ事業が64%を占めるまでに成長した。一方で、同社がもう一本の柱として期待するアウトソーシング事業は、2004年度で9%にすぎない。このため、同社ではアウトソーシング事業に今後一層注力し、「ビジネスコンサルティング40%、システム・インテグレータ30%、アウトソーシング30%が理想だ。ここまでアウトソーシングを育てたい」(程氏)との戦略を示した。

アクセンチュアの新社長に就任した程近智氏
 この戦略に伴って役員の担当を変更し、程氏がCRMや戦略、ヒューマン・パフォーマンスなどのコンサルティング業務を統括。同社としては初めて代表取締役副社長の役職を設置し、武田安正氏が就任。武田氏がテクノロジー、システム・インテグレータ&アウトソーシング業務を業界を横串で統括する制度となった。程氏は、「米国などでは、すでにアウトソーシング業務の割合が30%を超えている。このことから、米国からの圧力も強い。数年以内、英語でいうところの“a few years”で30%まで引き上げたい」と意気込みを語った。

 グローバルでは米アクセンチュアが全世界の売り上げの40%を占めて1位、日本は売り上げの3〜4%程度で8位だという。程氏は「日本は米国の約半分のGDPがあるので、ポテンシャル的には売り上げも米国の半分程度はいくはずだ。まだまだポテンシャルを秘めている。また、中国は年率50%以上の伸びを示し、インドは3年間で従業員が1000名から1万8000名に急増した。日本で中国やインドと同程度の成長は難しいが、確実に成長していきたい」とコメントした。

 程氏は、中でも英語がしゃべれてIT関係の強いインドは重要であるとし、「例えばコンサルティング業務を3カ月で行う場合、従来は分析に1カ月程度掛かっていた。しかし、いまはインドチームに分析を回すと1週間程度で上がってくる。これにより、いままで3カ月掛かっていたコンサルティング業務を2カ月に短縮することができ、時間報酬の場合、ユーザー企業にもメリットが大きいはずだ」と分析。「ビジネスコンサルティングからシステム・インテグレート、アウトソーシングまで一貫して1社で提供できるのはアクセンチュアだけだ。今後もそれをウリにしてサービスを提供していきたい」(程氏)と今後の抱負を語った。

(@IT 大津心)

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