内部統制強化にらむ、オラクルとネットマークスがID管理で協業

2006/4/26

 日本オラクルとネットマークスは4月25日、企業の内部統制強化をにらみ、アイデンティティ管理分野で協業すると発表した。両社は30人規模の共同チームも組織。日本オラクルは「システム面で実施する内部統制強化で、企業が最初に手を付けるのはアイデンティティ管理」と見ていて、通信やセキュリティ関連のシステム構築に強みを持つネットマークスと組んで、“セキュリティベンダのオラクル”を売り出す。

ネットマークスの執行役員 橘伸俊氏

 オラクルはディレクトリサーバや認証サービスなどのアイデンティティ管理製品群として「Oracle Identity and Access Management」を展開している。買収した製品で、新規アカウントの発行などアイデンティティ管理に関するビジネスプロセスを管理する「Oracle Xellerate Identity Provisioning」を7月にも国内で投入する予定。ネットマークスはこれらの製品を組み込んだソリューションを今後開発する。IP電話やワンタイムパスワード製品など、デバイスとセキュリティ基盤を連携させるソリューションの開発を計画している。

 ネットマークスの執行役員 橘伸俊氏は「(IP電話やカスタムアプリケーションなどを対応させる)コネクタをネットマークスで開発し、オラクル製アイデンティティ管理製品の適用範囲を広げる」と説明。特に「Oracle Xellerate Identity Provisioning」に注目しているとして、「社員の入退社などアカウントの変更を社内システムに漏れなく変更させることができる」と述べた。

 同様の機能はシングルサインオン製品など他社製品でも可能だが、橘氏は「オラクル製品はアイデンティティ管理のワークフローに沿った設計が可能。既存環境に対応させるための作り込みも必要ない」と特徴を説明した。ネットマークスはオラクル製品の売り上げで初年度に6億円を見込んでいる。

 日本オラクルはアイデンティティ管理分野で社内に30人規模の専任部隊を組織する計画。ネットマークスとの協業では、専任部隊の20人と、ネットマークス側の10人とでプロジェクトチームを結成し、システム構築やソリューション開発にあたる。

 両者の会見に出席した米オラクルのサーバ技術開発担当 バイスプレジデント ハサン・リズヴィ(Hasan Rizvi)氏は、アイデンティティ管理について「システムへの安全なアクセス、コンプライアンス対応、効率的な運用の3点が求められる」と指摘。オラクル製品について「完全で統合した形でこれらの要求に応えることができる」と語った。

(@IT 垣内郁栄)

[関連リンク]
日本オラクルの発表資料
ネットマークス
「日本版SOX法ポータル」開設

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