IBM Rationalの新たなメッセージ「ビジネス駆動型開発」

2006/4/29

米IBM Rationalソフトウェア・サービス バイス・プレジデントのウォーカー・ロイス氏

 日本IBMは4月28日、2回目となる「IBM Rational Software Development Forum Tokyo」を開催した。今回のテーマは「Innovation Driven by Software」。ソフトウェア開発の効率化が、企業のイノベーション活動に大きな影響力があるとするメッセージをさまざまなプレゼンテーションを通じて発信した。

 基調講演において宮橋一郎氏(日本IBM ソフトウェア事業 ブランド事業推進 ラショナル事業部 事業部長)は「企業が生き残るにはイノベーションが必要」とし、イノベーションの基盤となるソフトウェア開発の重要性を強調した。国内の経済環境が上向き傾向にあることも、「Innovation Driven by Software」というメッセージの市場への浸透を後押しすると同社では考えているようだ。宮橋氏は当日の新聞で報じられたソニーの好業績に関するニュースを紹介しながら、IT投資の目的がコスト削減だった時代の終焉(しゅうえん)をあらためて指摘した。

 宮橋氏の講演を受けて登壇したのは米IBM Rationalソフトウェア・サービス バイス・プレジデントのウォーカー・ロイス(Walker Royce)氏。ソフトウェア開発が企業のビジネス・プロセスの中核であるとし、ソフトウェア開発の効率化を実現するためのノウハウを紹介した。

 ソフトウェア開発を成功に導くためには4つのパターンがあるとロイス氏はいう。すなわち「Scope Management」「Process Management」「Progress Management」「Quality Management」の4つ。これらの4つの成功パターンに対応した開発ツールを同社は用意しており、CIO、ビジネスアナリスト、システムアーキテクト、開発者、テスター、プロセスエンジニアといった、ソフトウェア開発に携わるさまざまな立場のスタッフが、シームレスに情報や(開発)資産を共有できることをデモンストレーションを通して紹介した。

 さらに「Better Software=Better Business」とロイス氏はいう。Better Businessとは、売り上げ(Revenue)をコストで割ったものに成長率を掛け合わせたものだと定義する。そして、(時間当たりの)コストはソフトウェア開発を構成する要素(開発チーム、開発ツール、開発プロセス)が複雑に絡み合うことで算出されるとする。「ソフトウェア開発を成功させることが、ビジネスを成功させること」という同社のメッセージは、Rationalブランドの開発ツールと運用監視ツール(Tivoli)をはじめとした同社のほかのソフトウェアとの連携によって、具体的な姿として顧客に提示できる状況になったようだ。

(@IT 谷古宇浩司)

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