AT&Tが示す、次世代ネットワーク4つのポイント

2006/5/13

 日本AT&Tは5月10日、報道関係者向けの説明会を実施し、米AT&T研究所 VPNストラテジー・ディレクター トム・シラクーサ(Tom Siracusa)氏が「AT&Tの次世代ネットワークの4つのポイント」について語った。

米AT&T研究所 VPNストラテジー・ディレクター トム・シラクーサ氏
 シラクーサ氏はまず、大テーマとして「Convergence(統合)」というキーワードを挙げ、「音声と動画、データの3つをいかにして1つのネットワークに統合していくかが、今後最も重要なテーマとなる」と説明。このネットワークの統合を実現するために、4つのフレームワークがポイントとなるとした。4つのポイントには、「アクセステクノロジ」「MPLSを用いたネットワーク」「アプリケーションインフラ」「IP上で各種サービスを提供すること」を挙げた。

 アクセステクノロジでは、ユーザーがオフィスや自宅、ホットスポットなど、どこにいいても同じようなネットワークアクセスを提供する。すでに同社では、MPLS(Multi Protocol Label Switching)を応用することで、イーサネットやWiFi、ATMなど回線の違いに依存しないネットワーク環境を実現しているという。これは次のポイントである「MPLSを用いたネットワーク」にも関係し、「MPLSを用いることでフレームリレーやATM並みのプライバシーと柔軟性、柔軟な接続性などを提供できる」(シラクーサ氏)と説明する。

 MPLSは従来のルータ動作とは異なり、流れているパケットのあて先のIPアドレスを見る代わりに、「ラベル」と呼ばれるパケットに付けられた目印のみを見てフォワーディングを行う技術。AT&Tでは、この技術をVPNに応用することで、シンプルな障害復旧(ディザスタリカバリ)やコスト削減を実現しているとした。

 シラクーサ氏はさらに一歩先のルーティング技術である「Intelligent Route Service Control Platform(iRSCP)」を紹介。iRSCPは特にメンテナンスに有効な技術で、ある一定の時間はある特定のデータセンタに送信したり、ある特定の場所を転送することでメンテナンスしやすくする。また、DDoS攻撃対策としても有効だという。

 3つ目のアプリケーションインフラでは、これをサポートするグローバルなネットワーク&ホスティングセンターの充実度を強調。同社は北米を中心に世界に30カ所のコストセンターを持っており、災害発生時でもグローバルなスケールでの災害復旧に強みを発揮できるとした。シラクーサ氏は、「例えば、米国のニューオリンズに本社を構える通信事業者は、本社と70Km離れた場所にデータセンタを建設し、両者間でバックアップを取り合っていたが、ハリケーンカトリーナの災害により、両者がともにダウンしてしまった。現在では、バックアップ用として米国西海岸の当社データセンタを利用している」と語り、ワールドワイドにデータセンタを持つ同社の強みをアピールした。

 最後の「IP上で各種サービスを提供すること」では、現在普及しつつあるVoIPに加えて、動画や複数のコミュニケーション手段をシームレスに連携することなどがポイントとして挙げられた。例えば、あるアプリケーションがユーザーの現在の場所(社内や社外、自宅など)を把握し、そのシチュエーションに合った連絡手段(固定電話、携帯電話、PDAなど)を選ぶサービスなども想定される。

 シラクーサ氏は「現在の状況を起点に想像を広げて、現在のサービスの改良を図るよりも、『こういったサービスがほしい』という最終形態からさかのぼって、どうやったらそのサービスを実現できるかを考えていきたい。今後もさまざまな機能をネットワークに取り入れて提供していきたい」とコメントした。

(@IT 大津心)

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