スカイプを越えるか? 050番号で発着信できる新IP電話開始

2006/5/23

 エニーユーザーは5月22日、050番号を使って発着信ができるIP電話サービス「freep」(フリープ)を開始した。IP電話サービスはスカイプなどが先行しているが、エニーユーザーは設定項目を少なくするなど、一般ユーザー向けに使いやすさをアピールしている。

携帯電話を模した「freep」のクライアントアプリケーション

 freepはPCでクライアントアプリケーションを立ち上げて通話する仕組み。スカイプなどのPtoP式ではなく、SIPサーバを介して通話する。freepユーザー同士の通話は無料。Webカメラを使ったビデオ電話も利用できる。また、プリペイドカード方式でfreepから一般電話、携帯電話に発信することも可能。この場合は電話番号は通知されない。

 さらに、エニーユーザーはオプションで、相手先に050番号を使って電話をかけるサービスも用意している。相手先には050番号が通知される。通話料金は一般固定電話が3分8.3円、携帯電話が1分18.27円。国際通話も可能。相手先から050番号に電話をかけてもらうこともできる。オプションサービスは通話料金のほかに初期手数料2100円、月額基本料315円が必要。

 スカイプは050番号を使った着信には対応しているが、050番号での発信はできない。エニーユーザーによると、050番号を使った発着信ができるのは「日本初」。050番号を使ったサービスはスカイプと同様にフュージョン・コミュニケーションズのサービスを利用して実現している。

 freepの利用を開始するには独自電話番号が割り振られたカードを用意する必要がある。カードはエニーユーザーが提携したコンビニエンスストアのローソン店頭で販売。カードには通話料金があらかじめチャージされている。ほかにアマゾン・ジャパン、石丸電気、旅行代理店のエイチ・アイ・エスなどがユーザー向けにカードを配布する。050番号を使った発着信が可能なオプションサービスはWebサイトでのクレジットカード、コンビニエンスストア支払いで決済する。イーバンク銀行のネット口座で決済することも可能。

 エニーユーザーの代表取締役 宮町秀恒氏は「今後のVoIP市場では、より簡単でないとユーザーは使わない」と指摘し、携帯電話を模したクライアントアプリケーションの簡便性を強調。そのうえで「スカイプは使い方がちょっと難しい」と指摘した。アプリケーションをダウンロードするだけで利用開始できるスカイプなどのほかのIP電話サービスと異なり、電話番号を記載したカードを配布することでユーザーの信頼性を獲得できると説明した。

 エニーユーザーでは初年度に会員100万人、カード配布やアプリケーション連携のパートナーを40社獲得する見込み。通話料のほかにクライアントアプリケーションと連動した広告表示、関連コンテンツの決済代行などを収益源とする。

(@IT 垣内郁栄)

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エニーユーザーの発表資料

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