「NASゲートウェイで2年後にNetAppを超えたい」、ONStor

2006/5/26

 NASゲートウェイを開発・販売する米ONStorは5月24日、日本法人ONStorジャパンを設立し、国内市場におけるビジネスの本格展開を開始したと発表した。

 NASゲートウェイとはストレージなしのNASであり、ストレージ・ベンダが提供するストレージと組み合わせることによって、NASとしての機能を提供する。

 従って、同社の提供するNASゲートウェイ「Bobcat NAS Gateway」の主な特徴の1つは、各社のストレージ・システムを臨機応変に選択できることにある。各社のストレージを混在、並列的に利用し、ボリュームを統合することも可能だ。

 同製品ではEMC、日立、3PAR、IBM、Dot Hill Systemsをはじめとしたベンダとの接続を可能としており、同社の世界における売り上げの構成比においても、特定のストレージ・ベンダとの組み合わせに偏ってはいない。同製品のターゲットはミドルレンジのストレージを利用するユーザー企業。したがってストレージとの接続インターフェイスはファイバチャネルのみであり、現在のところiSCSIなどへの対応は計画されていない。

米ONStor CEO ボブ・ミラー氏

 米ONStorのCEO ボブ・ミラー(Bob Miller)氏は、「多数のファイルサーバを持つようになった企業では、OSのサービスパックを更新するだけで大変な作業になる。企業データセンターにおける電力不足やスペースコストの問題も深刻だ。これらのサーバを弊社のNASゲートウェイに交換することで、スペースも電力も飛躍的に削減することができる。例えば4000台のサーバを2台のBobcat NAS Gatewayに移行した例がある。Bobcat NAS Gatewayの1台当たりの消費電力は120ワット、つまり電球1個分にすぎない」と、汎用サーバに対するNASゲートウェイの優位性を説明した。

 同製品は、インターネット関連のコンテンツプロバイダなどでの導入が急速に伸びているという。ONStorジャパンの代表取締役社長大久保清隆氏は、「コンテンツプロバイダではサーバの管理に手間をかけている暇がない。管理が容易で即座にストレージを拡張できることがONStorの大きな利点。ストレージ容量を増やしたいだけなのに、NASの頭脳部分(「NASヘッド」とも呼ばれる)を必ず同時購入しなければならないような一般のNAS製品よりも、大幅にコストを削減できる」と話した。

 4ノード構成で最大1.2Gバイト/秒を実現するパフォーマンスの高さも、同製品が選ばれる理由の1つになっているという。

 国内では、ネットワンシステムズとシーティーシー・エスピー(CTCSP)が1次パートナー、新日鉄ソリューションズがソリューションパートナーとしてすでに活動を開始している。CTCSPは5月25日より、同製品とEMCの「CLARiX AXシリーズ」などを組み合わせ、最小構成で398万円からというパッケージを展開する。

 米ONStorの売り上げは昨年の460万ドルから、今年は1500万ドルへと急速に成長した。ボブ・ミラー氏は、「NASヘッドの売り上げに限定すれば、2年後にNetAppを超える存在になりたい」と語った。

(@IT 三木泉)

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ONStorジャパン

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