デルの新FCストレージは性能アップでも低価格化

2006/5/30

 デルは5月29日、EMCとの共同ブランドによるファイバーチャネル・ストレージ「Dell|EMC CX-3 UltraScaleシリーズ」を発表した。Dell|EMCのファイバーチャネル・ストレージとしては第3世代になる新シリーズは、CPU強化や4Gbpsファイバーチャネル接続対応などによるパフォーマンス改善と、製品の低価格化やディスクドライブの互換性確保などによるコスト削減効果を特徴としている。

最大120個のディスクドライブを収容可能なCX3-20

 これはEMCのミッドレンジ・ストレージシリーズ「CLARiiON CX3 UltraScaleシリーズ」のOEM製品に、デルのサービスやサポートで付加価値を与えたもの。新製品は「CX3-20」「CX-40」「CX-80」の3つ。最大搭載可能ディスクドライブ数はそれぞれ120、240、480個で、第2世代製品である「CX300」「CX500」「CX700」に比べ、約2倍となっている。搭載プロセッサのCPUパワーは、これらの機種に比べて2.5倍になったという。

 ストレージ用のインターフェイスとしては、CX3-80がファイバーチャネルのみ、CX3-20およびCX-40はファイバーチャネルとiSCSIに対応している(iSCSI対応モデルは9月より提供)。ファイバーチャネルは3モデルすべてが4Gbpsに対応した。また、新アーキテクチャ「UltraScale」ではPCI Expressを内部接続に採用、ドライブまで一気通貫で4Gbpsの接続が可能になったという。

 新シリーズでは、前世代機種と比較して全般的に性能向上を図ったにもかかわらず、価格は逆に低く設定したという。また、新シリーズでは従来機種のディスクドライブをそのまま利用することができるため、既存ユーザーにとってのコスト効率がさらに高まるという。

 現在利用可能な最大容量のディスクドライブは500Gバイト(7200rpm)であるため、新シリーズの最下位機種であるCX3-20でも最大約60Tバイトを収容できる計算になる。デルのエンタープライズマーケティング本部本部長桜田仁隆氏は、「CX-20でも、事業規模にかかわらず、イメージデータや電子メールなどのアーカイブに活用できる」と話した。最上位機種のCX-80では、CX-20複数台の背後に設置し、階層型ストレージを構成するような使い方も増えてくるだろうという。

 デルでは新シリーズについて、これらと接続するサーバへ工場出荷時に無償でホストバスアダプタ(HBA)を装着するサービスを提供する。また、同社の技術コンサルティング部門が、SANスイッチを含めてすべてのストレージコンポーネントに関し、顧客サポートにおける1次窓口として機能することができるという。

 CX3-20、CX3-40は5月30日に販売開始、CX3-80は6月6日に販売開始する。価格はCX3-20に73Gバイト(10000rpm)を5台搭載し、サポートパッケージをつけた最小構成で約528万円。

(@IT 三木泉)

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デルの発表資料

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