シマンテック、「バックアップは面倒」の声に驚く

2006/6/9

 シマンテックは6月8日、一般のインターネットユーザーを対象に実施した「パソコン利用時におけるストレス」の実態調査結果を発表。データを保存していながらバックアップなどの対策を講じていないユーザーが多数存在することが明らかになった。

 シマンテック コンシューマ営業統括本部 執行役員 統括本部長 大岩憲三氏は「デジタルカメラ画像や音楽などのデジタルデータの蓄積が増えたにもかかわらず、バックアップを取っていない人が多いことが浮き彫りになった」と分析。背景として、「目的主導でインターネットを使用するため、PCにあまり詳しくないインターネットユーザーが増えた」ことを挙げ、「シマンテックとしては、いかにしてこういう人たちを守るか」が重要であるとした。

シマンテック SMB&エンタープライズマーケティング部 セグメントマーケティングマネージャ 田上利博氏

 調査はインフォプラントが2006年4月に実施。調査対象は、1100人のインターネット歴3年以上のユーザーを、男女比率、年齢分布が均等になるように抽出した。調査項目はパフォーマンス、保存データ、セキュリティにおけるストレスなどについて。

 保存データに対するストレスに関する調査では、ストレス要因の1位は「重要なデータの損失」(28.8%)だが、データの保存にかかわる対策を「特に何もしていない」とした回答者は28.3%に上った。「なくしたら困る」データとしては「住所録などの連絡表」(60.2%)、「デジカメなどの写真画像」(50.1%)が多かったが、バックアップを実施している回答者は写真画像では59.9%、連絡表では57.6%にとどまるという。バックアップを行わない理由については「面倒だから」が45.8%、「やり方が分からないから」が31.9%だった。

 セキュリティにおけるストレスの調査では、セキュリティ対策を「特に何もしていない」とした回答者が8.9%。そのうち46.9%が「やり方が分からないから」、38.8%が「面倒だから」を理由に挙げた。

 シマンテック SMB&エンタープライズマーケティング部 セグメントマーケティングマネージャ 田上利博氏は「『バックアップは面倒で分からない』という人が多いことに非常に驚いた。この結果はバックアップソフトが理解されていないことを表している。ユーザーを取り巻くセキュリティ環境の悪化、PC内に蓄積するデータの増加により、バックアップやセキュリティ対策の重要性が増してきている」とコメントした。

 また田上氏は、開発コード名「Genesis」としていたシマンテックのコンシューマ向け統合セキュリティサービス「Norton 360」に言及し、「今後は単体ソリューションでなく、Norton 360などの統合サービスで全方位をガードし、ユーザーのストレスを減らせるのではないか」と語った。

(@IT 長谷川玲奈)

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